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商品の説明

【幅広いシーンで活躍するポケットチーフ】

ポケットチーフはあなたのスーツスタイルを一段とスマートに見せるために活躍するアイテムです。

結婚式やパーティーなどのフォーマルなシーンでよく見かけるポケットチーフですが、最近では普段のジャケットスタイルにもポケットチーフを取り入れる方が増えています。


【シルクの特徴】

美しい光沢感
シルクは蚕(かいこ)の繭からとれる素材で、蚕の吐く糸の繊維断面が三角形のため、光を当てるとプリズム効果でシルク特有の上品な光沢を生みます。

なめらかな肌触り
シルクは他の繊維と比べて細く、張りがあるため、軽くてなめらかな肌触りです。
また、人間の皮膚と同じタンパク質から構成されていて、人の肌ととても相性がいいです。

ネップ
シルク製品は素材の性質上「ネップ」と呼ばれる繊維の節が生地表面に出ていて、スジ状になっている物がございます。
絹本来の自然な素朴な味としてご理解いただけましたらと思います。




【商品説明】

素材:シルク100%
サイズ:35×35cm
カラー:全17色
生産国:中国
付属品:オリジナルガイド

【オリジナルガイド付き】
使ったことの無いの方でもすぐにお使いいただけるよう、折り方、合わせ方、お手入れ方法を写真とイラストで分かりやすく説明しているリーフレットをお付けしています。

【チーフホルダー付き】
ポケットチーフの型崩れを防止するホルダーが付いています。チーフをホルダーに固定してポケットに挿すだけ!
他のポケットチーフにもご使用して頂けます。

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2021年12月 5日 (日)

2021年12月5日『 山下達郎サンデー・ソングブック 』でクリフ・リチャードが歌ったバカラック曲がかかった!

今日(2021年12月5日)、JFN(TOKYO-FM系 全国38局ネット)『 山下達郎サンデー・ソングブック 』でクリフ・リチャードが歌ったバカラック書き下ろし曲「 EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE 」がかかりましたっ!

サンソンでは、2ヶ月前にディオンヌの「 プロミセス・プロミセス 」がかかって以来のバカラック曲。嬉しいなぁ。

ということで、放送の中から「 EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE(邦題:愛する人を)」がかかった前後を文字起こしします。リンク先は拙ブログの過去記事です、ご参考まで。

***** 文字起こし開始

(前略)お知らせの前にもう1曲。広島県は三次市、振り仮名ふって、◯◯◯◯さん。素敵な御名字ですね。え〜こういう名字になってみたいという…そういうこと言っちゃいけない…。え〜、オークションで購入したデッキが録音できなくて渋々修理に出しました。半年に一回の割合で壊れます。がしかし、サンデー・ソングブックを聴くためにはと思い修理中です。達郎さんは元気で頑張ってくださいね。…って、俺はテープデッキかって感じですが。

リクエスト、珍しいところです、クリフリチャード。あんまりかかりませんけれども。「 EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE 」、1965年のアルバム『 Love is Forever 』の1曲目に入っております。バート・バカラック、ハル・デイヴィッドの良い曲でございます。イギリスのアレンジなので、また音が良い。

EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE 〜 Cliff Richard 〜 ♪

クリフ・リチャード、1965年の「 EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE 」。しかしイントロ始まったと思ったら半音上がって、エンディングは半音下がってまた半音下がる。変態!…スゴイww。えぇ〜…凄い。(後略)

***** 文字起こし終了

達郎さんがおっしゃるように、半音上がったり半音下がったりする転調はやっぱり変態ですよねぇ。あと、4/8小節単位ではない変則的な小節数(楽節)も変態だし。💦


2021年11月28日 (日)

Live At The Talk Of The Town/Caterina Valente (1970年)

20世紀屈指の女性シンガー、カテリーナ・ヴァレンテが1970年にリリースした英国でのライヴ・アルバムです。10分に及ぶ圧巻のバカラック・メドレーを収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

Original LP front cover/back cover(back coverはTelefunken盤)



所有リイシューCD(2 in 1)のジャケット表/ケース裏

全8トラック中、バカラック作品は1トラック

3. Bacharach medley (10:41)
  1) THE LOOK OF LOVE
  2) I SAY A LITTLE PRAYER
  3) TRAINS AND BOATS AND PLANES
  4) ALFIE
  5) THE WINDOWS OF THE WORLD
  6) WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE


20世紀屈指の女性シンガー、カテリーナ・ヴァレンテが1970年にリリースした英国でのライヴ・アルバムです。

カテリーナ・ヴァレンテは1931年パリ生まれのイタリア人歌手、ダンサー、女優。両親はイタリア人のサーカス団員で、一緒にヨーロッパ中を旅する中で英、独、伊、仏、西語を覚えたそう。ドイツを拠点として活動を始め、数々のヒットを放つと共に映画、ミュージカルでも活躍。ポップス、ジャズ、シャンソン、ボサノバなど多彩なレパートリーを持ち、“歌の通訳” と呼ばれました。日本ではザ・ピーナッツがカバーした「 情熱の花 」のオリジナルを歌った歌手として知られ、日本語による「 ウナ・セラ・ディ・東京 」「 恋のバカンス 」もヒットしています。



↑ カテリーナ・ヴァレンテのお写真(所有リイシューCDのブックレットより)

本作はロンドンのナイトクラブ、The Talk Of The Town(直訳すると“ 町中の噂 ”)でのライヴ・アルバム。このナイトクラブでのライヴ・アルバムは結構あって、ビッグネームだけでも Tom Jones (1967)、Diana Ross & The Supremes (1968)、Cliff Richard (1970)、Shirley Bassey (1970)、Stevie Wonder (1970)、The Temptations (1970) らがリリースしています。1970年前後のロンドンでは有名なライブスポットだったんでしょうか。

バックの演奏はストリングなしのオケ。ゴージャスなサウンドで、工夫が凝らされた秀逸なアレンジに唸りました。大物歌手なのでアレンジャーやスタッフが優秀なのかなぁ…と。

んで、T-3.「 Bacharach medley 」がバカラック作品のみで構成されたメドレー。10分41秒もあるこのトラック、タイムカウンターと曲名 (時間) は以下の通り。よくカヴァーされる6曲をチョイスしています。
00:00  1)「 恋のおもかげ 」(1分58秒)
01:58  2)「 小さな願い 」(1分20秒)
03:18  3)「 汽車と船と飛行機と 」(1分)
04:18  4)「 アルフィー 」(2分35秒)
06:53  5)「 世界の窓と窓 」(1分7秒)
08:00  6)「 世界は愛を求めてる 」(2分20秒)
10:20  拍手 (21秒)

1)「 恋のおもかげ 」のイントロは53秒もあるんですが、それはMCでバカラックを紹介してるから。テンポ♩≒134と疾走感があり、カテリーナもパワフルな歌唱を聴かせます。疾走感はさらに増して♩≒200という超高速バージョンの2)「 小さな願い 」に突入。これまで聴いた「 小さな願い 」で最もテンポが速いバージョンじゃなかろうか。途中で声色を面白おかしく変える等カテリーナは余裕綽々で歌ってます。次の3)「 汽車と船と飛行機と 」は割とオーソドックスなアレンジで、メドレーの中では小休止といった印象。

続く4)「 アルフィー 」はグッとスローになってじっくり。カテリーナの貫禄ある歌いっぷりに心奪われます。メドレーの中でこの曲が一つ目のヤマですね。そしてミディアムテンポの5)「 世界の窓と窓 」ではカテリーナもしっとりとした歌唱で曲に寄り添います。そしてラストの6)「 世界は愛を求めてる 」へ…。元々3/4拍子のこの曲を超高速♪≒260の6/8拍子(聴感上は♩≒87の4拍子)にアレンジ。速い動きのドラムスや金管楽器、カテリーナのシャウト、いずれも熱狂的でメドレー中のもう一つのヤマがこの曲。

10分が短く感じる、充実&圧巻のメドレーでございました。

それにしても、本アルバムは収録曲全てに聴衆を楽しませるエンタメ性があります。流石です。尚、T-8.「 Danke Schön 」の最後らへん、日本語で “ありがとうございました” が突然聴こえたのにはびっくりしました。よく聴くと色んな国の言語で “Danke Schön = ありがとう” と歌ってました。“歌の通訳” の面目躍如ですね。

※「 小さな願い 」のテンポ: オリジナルのディオンヌ・ワーウィック♩≒146、ディオンヌ・ワーウィックのライヴ版♩≒170、アレサ・フランクリン♩≒134、アル・グリーン♩≒148、バハ・マリンバ・バンド♩≒170、ローランド・カーク♩≒180、ウッディ・ハーマン♩≒192、ブラジリアン・モダン・シックス♩≒194、カテリーナ・ヴァレンテ版♩≒200


【データ】
『 Live At The Talk Of The Town 』
Caterina Valente

LP:1970年リリース (所有CDは、2014年にリイシューされた輸入盤2 in 1です)
レーベル:Decca (所有CDは、英Vocalion)
番号:SLK 16646-P (所有CDは、CDLK 4511)

Featuring
  Silvio Francesco - Guitar, vocals
  Fats Sadi - vibraphone, bongos
  Orchestra under the direction of Burt Rhodes

2021年11月 7日 (日)

DON'T COUNT THE DAYS/Marilyn Michaels (1968年)

米国のコメディアン/歌手/女優、マリリン・マイケルズが1968年にリリースしたシングル。B面がバカラックの新曲で、超レア曲です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

B面

A. MacARTHUR PARK (2:39)
B. DON'T COUNT THE DAYS (2:20)


米国のコメディアン/歌手/女優、マリリン・マイケルズが1968年にリリースしたシングル。B面がバカラックの新曲で、超レア曲です!

マリリン・マイケルズは1943年、マンハッタン生まれ。1960年高校生の頃にレコードデビューし、エド・サリヴァン・ショーなど多くの舞台・TV番組に出演。コニー・フランシスやバーブラ・ストライザンドなどのモノマネが十八番だったようです(参考動画)。ブロードウェイ・ミュージカル『 Funny Girl 』はバーブラ・ストライザンドが主役でしたが、全国ツアーの際はマリリン・マイケルズが主役を演じたんだそう。歌も上手いしなんとなく顔も似てるし…。それって凄くない?


彼女は1968年秋に「 MacARTHUR PARK(マッカーサー・パーク)」をカヴァーしてシングルをリリース。そのB面がバカラック&デイヴィッドが提供した新曲「 DON'T COUNT HE DAYS 」でした。…ちなみに、「 マッカーサー・パーク 」はリチャード・ハリスが歌って全米2位(1968年6月)になった曲ですが、その時の1位はハーブ・アルパートの「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU(ディス・ガイ)」でした。


話を戻します。「 DON'T COUNT HE DAYS 」は軽快なテンポ(♩≒144)のズンチャチャ8ビート曲。高低差のある歌いにくい音程のメロディ、Bメロでの転調、ユニークな楽節。変拍子こそ無いもののバカラックらしさ溢れる曲です。特に楽節は本当に変。1コーラスは基本A-Bという形式で20小節ありますが、Aは9小節(6小節+3小節)、Bは11小節(5小節+6小節)ですから…。変じゃないのはイントロ(4小節)くらいかなぁ…。

マリリン・マイケルズの歌声は元気良くハリがあり、アレンジも秀逸でバックのオケの演奏もキレがあります。私は好きですねぇ。YouTubeにアップされてますので興味ありましたら是非!

レーベルの所属アーティストが印刷されたスリーブは味がありますね。(レーベルはA面です)

尚、私は音源所有してませんが1968年(1969年という説も)にSandi & Salliという女性デュオがカヴァーしています。こちらもYouTubeにはアップされてまして、ドリーミーなアレンジがなかなか良いです。


【データ】

MacARTHUR PARK/DON'T COUNT THE DAYS 」
Marilyn Michaels

7"Single:1968年秋リリース
レーベル:ABC Records
番号:11098

Arranged & Conducted by Charlie Calello
A.「 MacARTHUR PARK

Written by Jimmy Webb
B.「 DON'T COUNT THE DAYS 」

Written by Burt Bacharach - Hal David

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年10月31日 (日)

SLEEP WITH ME TONIGHT/Sandra Reemer (1987年)

オランダの女性シンガー、サンドラ・リーマーが1987年にリリースしたシングルです。レアなバカラック作品をカヴァー!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

Original front cover/back cover

A. SLEEP WITH ME TONIGHT (3:58)
B. SLEEP WITH ME TONIGHT (Instrumental Version) (3:58)


オランダの女性シンガー、サンドラ・リーマーが1987年にリリースしたシングルです。


サンドラは1950年10月インドネシア生まれ(2017年6月没、享年66歳)。8才の時にオランダに来て、ユーロビジョン・ソング・コンテストにオランダ代表として3回出場するなど歌手として活躍する傍ら人気TV番組の司会者としてもよく知られたお方だそう。

1973年4月には、男女デュオ Sandra & Andres(サンドラとアンドレ)として第2回東京音楽祭に出場しています。彼女が22歳の時ですね。出場曲の日本盤シングルがこちら。

そのシングル盤ライナーに詳しいプロフィールが載ってました。かなり長いですが引用します。

─ サンドラとアンドレという2人組、とても素晴らしいシンガー達を御紹介しましょう。2人組の男女、というとすぐ”ツナキとミドリ”を思い浮かべて夫婦じゃないのか?なんて思う人が多いようですが、この2人完全な赤の他人、お友達同志なのです。(それが証拠にアンドレはすでに結婚し子供も2人居るのですぞ)どういう訳でコンビを結成するようになったかと云いますと、このレコードのプロデューサー、ハンス(この人はマウス&マクルーニの「 ハウ・ドゥ・ユー・ドゥー 」というミリオン・セラー・ヒットで全世界に知られる作曲家でありレコード・プロデューサーです)がそれぞれソロ歌手として活躍していた2人に注目し”ウムこれならコンビを組んで大成功間違いなし”ということで強力に働きかけコンビ結成のはこびとなった、という事です。2人がデビューしたのは1968年、「 ストーリー・チルドレン 」という曲がファースト・シングルでした。それ以来コンビのいきも実に良く合ってヒットを続々と出し、昨年はユーロビジョン・ソング・コンテストで入賞する等大変な活躍ぶりでオランダを中心にヨーロッパで大変な人気を持つにいたったという訳です。 ─

─ さてサンドラ嬢そのエキゾチックなマスク、妖精と呼ぶにふさわしい可憐さで人気沸騰の彼女は8才の時にインドネシアからオランダに移って来ました。(何を隠そう彼女はインドネシア系の混血なのです)そして13才の時既にレコーディング、その後色々なコンテストでことごとく入賞したという天才少女ぶりを発揮したという事です。ところで面白いのは彼女のお父さんが彼女の歌の先生でもあったのですがこの人本職は日本語学校の先生で、歌だけではなく日本語まで彼女にガンガン教えこんだそうです。その成果あって現在彼女はペラペラ?と日本語を話すそうですが、丁度このシングルが出る頃日本に(この4月東京音楽祭出場の為来日5月の初めまで滞日)居ますからもしどこかで会うチャンスがあったら是非日本語で話しかけて見て下さい。 ─

デュオ解消後、
サンドラは再びソロでのキャリアを積んでいきました。

今回ご紹介する「 SLEEP WITH ME TONIGHT 」は、1987年にリリースしたソロ3作目となるアルバム『 The Best of My Love 』からの第2弾シングル。オリジナルはニール・ダイアモンドで、ニール/キャロル/バカラックの3人で書いた曲。パティ・ラベルのカヴァーが知られています。それぞれ収録アルバムはこちら ↓ 。リンク先は拙ブログの過去記事です。オリジナルを含めて3バージョンしかない超レアな曲です。
『 PRIMITIVE 』/Neil Diamond (1984年)
『 WINNER IN YOU 』/Patti LaBelle (1986年)


AORチックなバラードで、♩≒66のテンポはニール・ダイアモンド版やパティ・ラベル版と全く同じ。アレンジの構成も基本同じですが、パティ・ラベル版のようなデジタルシンセのキラキラ感は控えめ。丁寧かつ表現力豊かなサンドラの歌唱もあって、落ち着いた雰囲気に仕上がってます。キーが半音低いせいもあるかな? いずれにせよ、好カヴァーだと思います。
配信は見当たりませんがYouTubeでは聴くことができます


ここからはオマケ。

サンドラは1990年のアルバム『 She's The One 』で「 THE LOOK OF LOVE(恋のおもかげ)」(4:16)をカヴァーしています。サンバ × ダンスビート風のコンテンポラリーなアレンジはなかなかのもの。
私は音源を所有してませんが、YouTubeにフルアルバムが上がっててそれを聴きました。


【データ】
「 SLEEP ME WITH TONIGHT 」
Sandra Reemer

7"Single:1987年リリース
レーベル:Qualitel (Netherlands)
番号:Q7-S 1017

Produced by Martin Duiser
Arranged by Hans Hollestelle
Written by N. Diamond / B. Bacharach / C.B. Sager
Distributed by K-Tel (Holland)

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年10月24日 (日)

The Best of Bacharach/Don Goldie (1977年)

米国の男性ジャズ・トランペット奏者、ドン・ゴールディによるバカラック・カヴァー集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


A1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
A2. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
A3. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
A4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
A5. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
B1. THE LOOK OF LOVE
B2. ALFIE
B3. WIVES AND LOVERS
B4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約29分


米国の男性ジャズ・トランペット奏者、ドン・ゴールディによるバカラック・カヴァー集です!

ドン・ゴールディは1930年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ(1995年没、享年65歳)。父:トランペット奏者、母:ピアニストという音楽一家に育ちます。ドンは幼い頃からピアノを、10歳ころからトランペットを習い、1948年からニューヨークのジャズクラブ等で演奏をはじめました。サイドメンとしての活動がメインでしたが、1960年代前半にはArgoから2枚のリーダー・アルバムをリリースしています。1960年代後半からはマイアミを拠点とし、1970年代中盤以降マイアミのJazz Forum RecordsからLPを20枚近くリリース。本作はそのうちの1枚ということになります。

Discogsより画像拝借しました、悪しからず。いつ頃の写真なんでしょう?

収録されてる9曲は全てバカラックのカヴァー定番曲。ドン・ゴールディのトランペット+ピアノトリオというカルテット編成で、能天気且つノリの良い演奏ばかり。さすがにB2.「 アルフィー 」はスローで落ち着いてますけどね。3分前後の曲が多い中で、B1.「 恋のおもかげ 」だけは約6分の大作。この曲は演奏もファンキーで、本作のなかでは1番気合が入ってる印象。いずれにせよ、小難しいところがなく全体的に気軽に聴けるアルバムですね。

1977年リリースという割には録音のクォリティは低いんで、その点はマイナスポイントですかね。

LPは所有してませんが、配信で十分です(私もそうしました)。


【データ】
『 The Best of Bacharach 』
Don Goldie  (Featuring Don Goldie & His Trumpet)

LP:1977年リリース
レーベル:Jazz Forum Records (US)
番号:CM1074

Produced by Morty Deckelbaum
Don Goldie: Trumpet & Flugelhorn
Jack Keller: Piano
Mark Trail:Bass
Red Hawley: Drums
Recorded at U.S. Lion Studios, Maiami, FLA.
Mixed by Randy Bird, Linale Studios, N. Miami Beach, FLA.

↓ 配信のみ

2021年10月17日 (日)

Raindrops Keep Fallin' On My Head And Other Bacharach/David Hits/Living Marimbas (1970年)

RCA CAMDEN Living Series から、リビング・マリンバが1970年にリリースしたバカラック集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


A1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
A2. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
A3. ALFIE
A4. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
A5. WALK ON BY
B1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
B2. I SAY A LITTLE PRAYER
B3. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
B4. THE WINDOWS OF THE WORLD

収録時間約23分


RCA CAMDEN Living Series から、リビング・マリンバが1970年にリリースしたバカラック集です。

RCA CAMDENレーベルは1960年代〜70年代にかけて、ラウンジ(イージーリスニング?)プロジェクト 〜 Living Series 〜 を展開していました。Living Series のバリエーションには、Living Strings、Living Voices、Living Guitars、Living Brass、Living Jazz、 Living Trio などがあり、Living Marimbas(リビング・マリンバ)もそのひとつでございます。

編成は、ブラス隊(トランペット2本、トロンボーン1本)、リズム隊(リズミックギター、ベースギター、ドラムス、パーカッション)、マリンバ(2台?)、曲によって鍵盤楽器(オルガン系)。クレジットに記載ないのですが、聴いた感じでそんなもんじゃないかと。

演奏は、ブラス隊とマリンバがほぼ半々の割合でメロディを担当。これだったら Living Marimbas & Brass という名前の方がしっくりするんですけどねぇ。ラテンフレーバーが効いたアレンジで、メリハリの効いた元気なブラス隊(特にバリバリ鳴るトロンボーンが目立つ目立つ💦)とポヨヨンとしたマリンバの対比が特徴でしょうか。アレンジに若干チープさが見えるのがチト残念。

わざわざ中古LPを購入しなくても配信で十分です(私もそうしました)。試聴してお気に召したらゲットする…そんな感じでよろしいかと。


ここからはオマケ。Living Series からバカラック作品をご紹介。

Living Strings & Living Voices のアルバム『 What The World Needs Now Is Love 』(1972年)に、「 世界は愛を求めている 」(4:04) が収録されています。これは、私が所有しているRCA1972年リリースのバカラック物コンピ集『 The Best of Burt Bacharach 』(画像右)にも入ってまして、拙ブログ過去記事では   ─  ゴージャスなオケのイントロと男声/女声コーラスの掛け合いとピアノが跳ねるエンディングのバランスが良く、ちょっぴりレコメンド  ─   と結構評価しちゃってます。


Living Brass & Living Marimbas のアルバム『 Play Songs Made Famous By Herb Alpert 』(1969年)に、Living Marimbas Plus Strings の「 ディス・ガイ 」(2:40) が収録されています。ゆったりしたテンポで、ストリングスとトランペットとマリンバがメロディを分け合ってます。

Living Jazz のアルバム『 The Fool On The Hill 』(1969年)に、「 恋よさようなら 」(2:31) と「 アルフィー 」(2:26) が収録されています。ムード音楽風イージーリスニングと言ったらイイんでしょうか、ちょっと下品なサウンドです。ジャケットは上品な感じなんですけどねぇ。

他にも、Living Guitars のアルバム『 Music From The Pink Panther And Other Hits 』(1964年)に「 素晴らしき恋人たち 」、同じくLiving Guitars のアルバム『 Dedicated To The One I Love 』(1967年)に「 カジノ・ロワイヤル 」、Living Voice のアルバム『 "True Grit"/"Jean" And Other Motion Picture Favorites 』(1970年)に「 エイプリル・フール
」が収録されてるようです。いずれもワタクシ聴いたことがございませんのでノーコメントとさせていただきます💦。


【データ】
『 Raindrops Keep Fallin' On My Head And Other Bacharach/David Hits 』
Living Marimbas

LP:1970年リリース
レーベル:RCA Camden (US)
番号:CAS-2400

Produced by Ethel Gabriel
Arranged and Conducted by Leo Addeo
Recorded in RCA's Studio C, New York City

↓ 配信のみ

2021年10月10日 (日)

Some Lovers/Burt Bacharach & Steven Sater (2021年)

バート・バカラック&スティーブン・セイターがコラボしたミュージカル『 Some Lovers 』のアルバムです!(CD無し/デジタル配信のみ)

(画像は全てクリックすると大きくなります)

Album Artwork/Page2 from Digital Booklet

1. MOLLY 〜 Colton Ryan & Molly Gordon
2. SOME LOVERS 〜 Betsy Wolfe & Tracie Thoms
3. AREN’T WE? / ANOTHER START 〜 Ethan Slater & Lilli Cooper
4. LOVE ME FOR AN HOUR 〜 Jonathan Groff & Lea Michele
5. LIVING WITH A GHOST 〜 Katrina Lenk & Ari’el Stachel
6. HOLD ME 〜 Conrad Ricamora & Ashley Park
7. A THOUSAND THINGS THAT WERE YOU 〜 Derek Klena
8. READY TO BE DONE WITH YOU / A THOUSAND THINGS THAT WERE YOU (Reprise) 〜 Derek Klena & Christy Altomare
9. WELCOME TO MY WORLD 〜 Ramin Karimloo
10. EVERY OTHER HOUR 〜 Jennifer Holliday
11. JUST WALK AWAY 〜 Kristin Chenoweth
12. HUSH 〜 Santino Fontana & Laura Osnes
13. THIS CHRISTMAS 〜 Graham Phillips & Auli'i Cravalho

収録時間約42分


バート・バカラック&スティーブン・セイターがコラボしたミュージカル『 Some Lovers 』のアルバムです!

ミュージカル『 Some Lovers 』は、スティーブン・セイターがO.ヘンリーの短編小説『 賢者の贈り物 (The Gift of the Magi) 』に着想を得て創作した作品。本アルバムのブックレットによれば、2009年9月にセイターがT-8.「 READY TO BE DONE WITH YOU 」の詞をバカラック爺に渡し、バカラック爺がそれに曲をつけたことがキッカケとなり、その後セイターがストックしていた数曲の歌詞にバカラックが曲をつけ、一緒にミュージカルを創ろうと意気投合したそうです。バカラック爺にとっては1968年の『 Promises, Promises 』以来、約40年ぶりのミュージカルとなりました。

↑ ブックレットの最終ページにあったバカラック爺とセイターの2ショット写真

ミュージカルは2011年11月に初演(加州サンジエゴのOld Globe Theatreで)された後、2016年にリンカーンセンターでコンサート、2017年ロンドンのオフ・ウエストエンド The Other Palaceで上演、2018年6月にはNYCの The Adirondack Theater Festival (ATF) で上演されています。4人の俳優が2人の恋人(Molly と Ben)の20年前<若者>と現在<中年>を演じ、20年の間に失った感覚を2人が取り戻す…というお話のようです。

本アルバムは所謂オリジナル・キャスト・アルバムではなく、『 Some Lovers 』の楽曲をブロードウェイの実力派俳優陣が歌いレコーディングしたもの。リリース元 Broadway Records のネット記事では " The world premiere concept recording " と紹介されていました。

ミュージカル音痴の私には見慣れない名前が多いですが、何人かは知ってます。T-4.のリア・ミシェル(『 Glee 』レイチェル役)とT-11.のクリスティン・チェノウェス(『 Glee 』エイプリル役、『 Promises, Promises(2010年版)』フラン役)。この2人は過去作品でバカラック作品を歌ってますからねぇ。

収録された13トラックのうち、何曲かはこれまでに他のアーティストが歌い音源化されています。
T-2.「 SOME LOVERS 」:Rumerが2010年にシングルをリリース(詳細はこちら)。
T-9.「 WELCOME TO MY WORLD 」:2010年のバカラック・カヴァー集『 Inner Reserves 2 meet BURT BACHARACH 』でH. Garden feat. Takashi Hamazaki(H. ガーデン・フィーチャリング浜崎貴司)が取り上げています。
T-10.「 EVERY OTHER HOUR 」:2009年にKarimaとMario Biondiがイタリア語詞をつけ「 COME IN OGNI ORA 」の曲名でシングルをリリース。その後Karimaは、ローマでのバカラック公演にゲスト出演して歌ったライブ音源を「 COME IN OGNI ORA 」の曲名で2010年のアルバム『 KARIMA 』に収録。
T-11.「 JUST WALK AWAY 」:Karimaが2010年のアルバム『 KARIMA 』で歌唱。更にKarimaは、2015年のアルバムテーブルウェアイースト 中皿 17.5cm shabby-chic プレート お皿 食器 (パープル) パープル 17.5cm Estmarc(エストマルク)"dm-00302"でリメイクしています。

他にも、音源化はされてませんがT-12.「 HUSH 」はバカラック爺が2014年の日本公演で披露していました。

高低行ったり来たりするメロディラインや転調にはバカラックらしさを大いに感じますが、変拍子は封印。最近のバカラック爺にしては全体的に明るめでロマンチックな曲が多いように感じます。T-1.「 MOLLY 」のサビ部分は2016年の映画『 La La Land 』のオープニング「 ANOTHER DAY OF SUN 」に近い雰囲気ですし。

歌ってる面々は流石に素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。個人的なレコメンドはT-1.「 MOLLY 」、T-2.「 SOME LOVERS 」、T-4.「 LOVE ME FOR AN HOUR 」、T-10.「 EVERY OTHER HOUR 」、T-11.「 JUST WALK AWAY 」、T-13.「 THIS CHRISTMAS 」でしょうか。ちなみにT-4.とT-10.は曲一緒の歌詞違いです。

オマケとして、関連動画をリンクしておきます。
2011年初演時のもの。バカラック爺やセイターも登場します。約3分半。(こちら
2016年リンカーンセンターでのコンサート。11曲の動画がつながってます。(こちら
2017年ロンドンのオフ・ウエストエンド The Other Palace 上演時のもの。約1分。(こちら


【データ】
『 Some Lovers 』
Burt Bacharach & Steven Sater

MP3:2021年9月30日リリース
レーベル:Broadway Records
番号:-

Producers: Michael Croiter & Ben Hartman
Co-Producers: Burt Bacharach, Steven Sater & Cody Lassen
Executive Producers: Maxwell Beer, Brad Blume, Louis Hobson, Elisabeth Siegel, John Styles, Jr., Joanna Topetzes & Deena Zucker

An original story and lyrics by Steven Sater
All new music from the legendary Burt Bacharach

Orchestrations: Jonathan Tunick
Vocal Arrangements: Annmarie Milazzo
Vocal Coach to Ms. Chenoweth: Michael Orland
Musicians
  Music Director, Piano, Keys: Ben Hartman
  Drums: Michael Croiter
  Bass: Brian Hamm
  Guitars: Eric Davis
  Guitars: Brian Koonin
  Trombone: Joe Fiedler
  Trumpet: Kenny Rampton
  Reeds: Kristy Norter

Recorded and Mixed at Yellow Sound Lab, NYC
℗© 2021 SOME LOVERS DEVELOPMENT LLC, EXCLUSIVELY DISTRIBUTED BY BROADWAY RECORDS.


2021年10月 3日 (日)

2021年10月3日『 山下達郎サンデー・ソングブック 』でディオンヌの「 プロミセス・プロミセス 」がかかった!

今日(2021年10月3日)、JFN(TOKYO-FM系 全国38局ネット)『 山下達郎サンデー・ソングブック 』でディオンヌ・ワーウィックの「 PROMISES, PROMISES(プロミセス・プロミセス)」がかかりましたっ!

嬉しいですねぇ。この先11月〜12月には宝塚歌劇団宙組がブロードウェイ・ミュージカル『 プロミセス、プロミセス 』を演るというし。もしかして、旬なのか!?

ということで、放送の中から「 プロミセス・プロミセス」がかかった前後を文字起こしします。リンク先は拙ブログの過去記事です、ご参考まで。

***** 文字起こし開始

(前略)お次のリクエスト。今日は殆どリクエストなんですけれども、なんか全部リクエストだとなんか自分の裁量が無くてつまんないので、ちょっと寝技と言いましょうか。

栃木県さくら市◯◯さん。不躾ですが、「 さよなら夏の日 」の間奏で、変調(転調?)するところがありますよね。変調じゃなくて転調ですね。いつ聴いてもあそこでゾクッと気持ちが上がる感じが好きなのですが、思うに洋楽って変調のイメージが薄い気がします。知らないだけかもしれませんが、達郎さんのシビレる変調が効いた曲がありましたら教えていただければと思います。まだまだ予断を許さぬ日常ですが何卒ご自愛くださいますように。

転調、変調、コードがまぁ変わるヤツですねぇ。ま、そういう曲はたくさんありますけれども、私ティーン・エイジャーで一番びっくりした曲はですね、ディオンヌ・ワーウィックの1968年のヒットソングの「 プロミセス・プロミセス 」という、バート・バカラック&ハル・デイヴィッドですが、元々はミュージカルのテーマとして作られた曲です。この曲は、そのコードの複雑さもさることながらですね、テンポの複雑さ。どこまで行くんだ、たった3分のなかでどれだけ詰め込めば気が済むのかという、僕これ高校あたまぐらいで聴いてすごく驚愕したという凄い思い出がある曲で、スゴイ曲作るなぁって思いましてですね。で、まだ銀座のヤマハがあった時代だったんで、そこであのぉ「 プロミセス・プロミセス 」をマーチにした譜面をアメリカで出している譜面を買ってきて、高校のブラバンで体育祭の行進曲として使ったことがあります。そういう思い出とともにあります。ディオンヌ・ワーウィック、1968年の「プロミセス・プロミセス 」。

PROMISES, PROMISES 〜 Dionne Warwick 〜 ♪

ディオンヌ・ワーウィック、1968年の「プロミセス・プロミセス 」。これでも全米19位というですねぇ、こんな難しい曲がそこまでチャート上がるんですからスゴイ世の中で。曲もスゴイですけど、その演奏するですねぇ演奏するミュージシャンもこのまた演奏力の高さと、それでこれに乗って歌えるこのディオンヌ・ワーウィック。この曲をアルバム・タイトルにしたアルバムもあるんですけどこれが僕が一番好きなディオンヌ・ワーウィックのアルバムで、この中に入ってる「 WHO IS GONNA LOVE ME?(フー・イズ・ゴナ・ラヴ・ミー)」という曲がありまして、これが僕高校1年くらいの時にFENの深夜でずーっとかかっておりましてこればっかり聴いていた時代がありますが。

ディオンヌ・ワーウィックは最近リクエストが多いんですが。今日は神奈川県川崎市の◯◯さんが、えっと「 KNOWING WHEN TO LEAVE(去りし時を知って)」、この次のアルバムですね『 I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』に入ってるヤツ、これも変態な曲ですねぇ。これをリクエストいただきましたがスミマセン、今日はこちらの方で。(後略)

***** 文字起こし終了

「 プロミセス・プロミセス 」は達郎さんもおっしゃってるようにテンポが複雑で。譜面には4分の3拍子、8分の3拍子、4分の4拍子、4分の5拍子、4分の6拍子が登場しますから…まさに変拍子のオンパレード! 達郎さん、この曲で行進するなんて無謀すぎません?💦

参考までに、電子オルガンの演奏でこの曲の譜面付き動画をリンクしておきます。演奏はヘタクソですのでご勘弁を(こちら

2021年9月26日 (日)

Whistling In The Dark... The Music of Burt Bacharach/Denise Donatelli (2021年)

米女性ジャズ・シンガー、デニス・ドナテリが2021年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. WHISTLING IN THE DARK
2. THE LOOK OF LOVE
3. IN BETWEEN THE HEARTACHES
4. TOLEDO
5. ANYONE WHO HAD A HEART
6. WALK ON BY
7. IN THE DARKEST PLACE
8. MEXICAN DIVORCE
9. A HOUSE IS NOT A HOME

収録時間約41分


米女性ジャズ・シンガー、デニス・ドナテリが2021年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

デニスは1950年米ペンシルベニア州生まれ。4歳〜高校生までクラシックピアノを学ぶ一方、幼い頃からあらゆるジャンルの音楽を聴いて育ち、特にナンシー・ウィルソン、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエ、エラ・フィッツジェラルド等のレコードに夢中になったとか。大学卒業後、結婚と家族のために音楽のキャリアを脇に置きましたが、1990年代初頭〜40歳過ぎてからアトランタでシンガーとしてのキャリアをスタート。2000年にL.A.に移ってからはL.A.を拠点に活動。2007年〜2016年の間に5枚アルバムをリリースしており(うち3枚がグラミー賞の "Best Jazz Vocal Album" にノミネート!)、本アルバムは通算6枚目にあたります。

─ SAVANT からコンスタントに新作を発表しているジャズ・ヴォーカリスト、デニス・ドナテリの最新作。ミュージシャン、ソングライター、レコードプロデューサー、そしてベース奏者でもあるラリー・クラインの全面プロデュース作品。バート・バカラックのヒットナンバーをゴージャスなアレンジで再現している。デニスは数年前のグラミー賞の会場でラリー・クラインと会う機会があり、以前から彼のファンでもあったデニスと意気投合、この新作プロジェクトがスタートすることになった。プロジェクトの候補は多岐に亘ったが、ラリーがバート・バカラックから電話を受けた友人と話している時にこのバカラック集のアイデアが浮かんだそうだ。バカラックの音楽を聴いて育ったデニスだが、彼の多くのヒット曲から今回のレコーディング曲を選ぶ作業は大変だったとのこと。最終的に9 曲をピックアップして録音に臨んだそうだ。ラリー・ゴールディングス (p)、アンソニー・ウイルソン (g) が参加したバックミュージシャンがバカラックサウンドに彩を添る。甘く切ないスローナンバー中心の見事な選曲で、メロウでゴージャスな作品に仕上がった。 ─ (発売・販売元 提供資料 まんま)

プロデューサーのラリー・クラインにとって ─ バート・バカラックは、子供の頃から私の音楽のDNAの一部でした。 ─ (ライナーノーツより)

そんな彼がこのアルバムで見せたアプローチは、デニスによれば ─ ラリーのアイデアは、曲の本質を調べるようなミニマルな方法でバカラックの音楽を再構築することでした。彼は自分が何を目指しているのかを知っていましたが、ミュージシャン間の素晴らしいコラボレーションになるためのプロセスに余裕を残しました。 ─ (ライナーノーツより、機械訳ですあしからず)

出来上がったアルバムは、ひとことで言うと “大人向けの超渋いバカラック・カヴァー集”。

まず選曲が渋い! T-1.「 ウィスリング・イン・ザ・ダーク 」は2020年に出たバカラック&ダニエル・タシアンのEP『 BLUE UMBRELLA 』からの1曲。バカラック爺15年ぶりのアルバムで話題になりましたが、どちらかと言えば地味なこの曲をカヴァーしてしかもアルバムタイトルにするとは…。なんてマニアックな! エルヴィス・コステロとコラボしたアルバム『 Painted From Memory 』からチョイスしたT-4.「 トレド 」とT-7.「 イン・ザ・ダーケスト・プレイス 」も渋すぎるっ!

残り6曲は1960年代のバカラック・クラシック。T-2.「 恋のおもかげ 」、T-5.「 恋するハート 」、T-6.「 ウォーク・オン・バイ 」、T-9.「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」はいずれもカヴァー定番曲ですが、T-3.「 イン・ビトウィーン・ザ・ハートエイクス(胸のいたみ)」やT-8.「 メキシコでさようなら(恋するメキシカン)」あたりはマニアックな部類に入ります。一般ウケする「雨にぬれても」「遙かなる影」なんぞはハナから眼中にないって感じですね〜。

サウンド面もホントに “大人” です。ギター、ピアノorオルガン、ベース、ドラムスのアンサンブルは落ち着いた音色で残響も深く、寒色系でグレイッシュな色彩感。各曲とも聴き慣れたフレーズが少なく、イントロ聴いただけじゃなんの曲かわかりません。そんな演奏をバックに、デニスはほんのりハスキーな歌声で丁寧に歌っています。正直、もう少しエモーショナルに歌って欲しいな…と思う曲もありますが、アルバムとしての統一感はしっかり感じられます。

ちなみに、YouTubeには本アルバムのプロモーション動画(3'40")が上がってます。アルバム全曲のMVも聴くことができますょ(こちら)。


【データ】
『 Whistling In The Dark... The Music of Burt Bacharach 』
Denise Donatelli

CD/MP3:2021年8月27日リリース
レーベル:Savant Records (US)
番号:SCD 2196

Produced by Larry Klein
Executive Producer:Denise Donatelli

Written by Burt Bacharach & Daniel Tashian (T-1.)
Written by Burt Bacharach & Hal David (T-2,3,5,6,9.)
Written by Burt Bacharach & Elvis Costello (T-4,7.)
Written by Burt Bacharach & Bob Hilliard (T-8.)
  Denise Donatelli:vocals 
  Larry Goldings:piano, keyboards & organ
  Thomas Dybdahl:prepared piano & synth (T-1.)
  Anthony Wilson:guitars
  Larry Klein:bass & additional keyboards
  Vinnie Colaiuta:drums
Recorded at The Village Studios, West Los Angeles, CA
Additional recording at Strange Cargo, Los Angeles, CA

2021年9月12日 (日)

The Lost Sessions From The Netherlands/Blossom Dearie (2018年)

1968年〜1989年にオランダで録音されたブロッサム・ディアリーの未発表音源集。バカラック作品を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


全13トラック中、バカラック作品は1トラック

7. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD (3:49)


1968年〜1989年にオランダで録音されたブロッサム・ディアリーの未発表音源集。フランスの高音質レーベル、Fondamenta の高音質復刻シリーズ " The Lost Recordings " の1品で、2018年にリリースされました。所有しているのはCDですがアナログ盤180gLPも900枚限定で出たようです。


ブロッサム・ディアリーは1924年生まれ(2009年没)の米国女性ジャズ・シンガー/ピアニスト 〜 画像はブックレットの表紙です。ヨーロッパと米国で活躍した方で、Verveから1958年に出た『 Once Upon A Summertime 』は私もCD持ってます。…あまり聴いてないけど。彼女の特徴である子供のような独特な歌声は好みじゃなくて…。閑話休題、彼女はオランダでもソロ・ショーやメトロポール・オーケストラとの共演など多くのコンサートを行っていたようで、オランダで録音されたものの中から13曲が収録されています。

そのうちバカラック作品はT-7.「 雨にぬれても 」。1971年3月、ラジオ用のレコーディングだったようです。ピアノトリオの演奏はアドリブもないシンプルなもの。それに乗っかるブロッサム・ディアリーの歌声は、キュートではあるけどただ歌ってるだけのような感じ。どこかのラウンジでのBGM然とした、無難でもっさりしたパフォーマンスです。う〜ん、ちょっとがっかり。同じ日の録音でもジョニ・ミッチェルのT-11.「 青春の光と影 」あたりはノリ良くていい感じなのになぁ。

ここからはオマケ。


ブロッサム・ディアリーは1967年のアルバム『 Soon It's Gonna Rain 』でバカラック作品の「 汽車と船と飛行機と 」「 アルフィー 」を取り上げています。バックの演奏はオケ。キュートな歌声は相変わらずヘタウマだけど、頑張って歌ってる感じがなんかこう好感持てるんですよねー。配信はされてませんが、YouTubeで聴くことができます。


【データ】
『 The Lost Sessions From The Netherlands 』
Blossom Dearie

CD

:2018年6月22日リリース
レーベル:FONDAMENTA (FR)
番号:FON-1804033

Blossom Dearie:vocals & piano
T-1〜5.:Accompanied by the Metropole Orchestra
T-6. Bass:Koos Serierse, Drums:Kees Kranenburg
T-7〜11. Unkown musicians
T-12. Bass:Harry Emmery
T-13. Jack Segal, Blossom Dearie

Recorded in the Netherlands
T-1,2. : Recorded 14.VI.1968 at the VARA Radio Studio, Hilversum
T-3. : Recorded 15.V.1980 at s'-Hertogenosch Casino
T-4,5. : Recorded 5.V.1982 at the Circus Theatre, Scheveningen
T-6. : Recorded 3.III.1982 at Nick Vollebregt's Jazz Cafe, Laren
T-7〜11. : Recorded 6.III.1971 at the NCRV Radio Studio, Hilversum
T-12. : Recorded 19.X.1989 at Nick Vollebregt's Jazz Cafe, Laren
T-13. : Recorded 3.V.1982 at Nick Vollebregt's Jazz Cafe, Laren

Remastered (P) & (C) 2018 FONDAMENTA
Distribution Sony Music Entertainment (FR)

2021年8月22日 (日)

What the World Needs Now/David Osborne (2019年)

米国の男性ピアニスト、デヴィッド・オズボーンによるイージーリスニング・バカラック集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. THE LOOK OF LOVE
2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
5. THIS G'S IN LOVE WITH YOU
6. ALFIE
7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
8. WALK ON BY
9. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
10. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
11. I SAY A LITTLE PRAYER
12. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
13. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR

収録時間約46分


米国の男性ピアニスト、デヴィッド・オズボーンによるイージーリスニング・バカラック集です。

デヴィッド・オズボーンは米オクラホマ州マイアミの出身。米国では “Pianist to the Presidents(大統領のピアニスト)” として知られる方で、これまで40回以上、カーターからオバマまで5人の大統領のためにホワイトハウスで演奏してきたそう。さらにラスベガスの2つの世界的に有名なホテル、シーザーズパレスとベラージオで18年間演奏してきた人気ピアニストなんだとか。 → 彼の公式サイト
公式サイトから拝借した画像を2枚載せておきます。右はオバマ大統領と!


CDも1995年頃から20枚以上リリース。んで、本アルバムは2019年にリリースされた全曲ピアノソロ演奏のバカラック集でございます。

カテゴライズするとイージーリスニングになりますかね(CDケース裏には MUSIC STYLE:NEW AGE/INSTRUMENTAL との表記あり)。収録全13曲はバカラックカヴァー定番曲ばかり。イージーリスニング・ピアノの王道とも言えるロマンティックで透明感があってキラキラしたアレンジ&演奏はショップやカフェのBGMにオススメいたします。

さすがは歴代の米大統領御用達のピアニスト、派手さは無いけどどの曲も退屈しないだけのクオリティは備えていると思います。レコメンドを強いてあげるなら、コロコロとリズムが弾むT-5.「 ディス・ガイ 」、この曲の繊細な一面を引き立たせたT-8.「 ウォーク・オン・バイ 」あたりでしょうか。あくまで個人的な好みですが。

全曲ピアノソロ演奏のバカラック集って、実はあまり持ってなくて。拙ブログで紹介したなかでは Len Rhodes(レン・ロードス)のキーホルダー カラビナ フック キーチェーン 脱落紛失防止 取付分解簡単 車 自転車 バイク用高級キーリング シンプルでおしゃれなキーケースがあるくらい。イージーリスニング系のデジタル配信物は他にも見つかるんですがフォローできてません、素性がよくわからんので…💦


【データ】
『 What The World Needs Now 』
David Osborne

CD/MP3:2019年リリース
レーベル:Green Hill Music (US)
番号:GHD6201

Produced by Jack Jezzro
Executive Producer:Greg Howard
Performed and arranged by David Osborne
David Osborne is a Steinway & Sons International signature Artist.
David Osborne YouTube channel

2021年8月15日 (日)

A Portrait of Burt Bacharach/Jury Krytiuk Orchestra & Chorus (1972年)

1972年リリースのカナダ産イージーリスニング・バカラック集(男女ダバダバコーラス入り)。マニアックな選曲が◎です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


A1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
A2. AS LONG AS THRER'S AN APPLE TREE
A3. LET ME GO TO HIM
A4. I SAY A LITTLE PRAYER
A5. PAPER MACHE
A6. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
B1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
B2. NIKKI
B3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
B4. WALKING BACKWARDS DOWN THE ROAD
B5. LIVE AGAIN
B6. TEN TIMES FOREVER MORE

収録時間約30分


1972年リリースのカナダ産イージーリスニング・バカラック集(男女ダバダバコーラス入り)です。

Jury Krytiuk(ジュリー・クライテューク)は、カナダ中西部サスカチュワン州出身のソングライター、ミュージシャン、プロデューサー、レコード会社のエグゼクティブ。Dominion Records を経て、1971年にレコード会社 Boot Records を共同で設立(本作のレーベル Cynda はそのサブレーベル)。以降、'80年代後半まで作編曲&プロデュース業に勤しんだ…そんなお方だそうです。


そんな彼が自身名義のオーケストラ&コーラスとしてリリースした唯一のアルバムが本作です。とはいえ、プロデュース(レーベル面に記載あり)以外に彼がアレンジや指揮等どこまで関わっているかは判りません。まぁ、イージーリスニングはこの辺テキトーですからね…。テキトーといえばアルバムタイトルが表ジャケと裏ジャケとレーベル面で異なるのもそーだし(笑)

男女ダバダバコーラスは、全面的にメロディを担ってる3曲(A1、B3、B5)を除いて、オケが奏でるメロディに重なってサポートする役回り。オケのアレンジはその曲のイメージから外れないオーソドックスなものですが、金管の響きが柔らかいのが特徴。全体的に軽めでラウンジ風味があります。


収録された12曲は全てバカラック/デイヴィッドコンビによる作品。本作の裏ジャケにちょっとした解説が載っていて、その最後にこう書かれてます。
─ 厳選した素材(曲)は、その人気とエンタメ的価値を考慮して選ばれたものです。椅子に座り、リラックスして楽しんでください。「 雨にぬれても 」「 小さな願い 」「 ペイパー・マシェ 」「 サン・ホセへの道 」「 恋よ、さようなら 」「 ディス・ガイ 」、他に6曲のお気に入りを。 ─

曲名を挙げた6曲はよく知られてる曲ですが、残り “6曲のお気に入り” が超マニアックな曲なんです。ジュリー・クライテュークご本人の選曲なんでしょうが、本作が中古レコード屋さんで高値取引されてる理由はコレだと思います。その6曲とは…


A2.「 アズ・ロング・アズ・ゼアズ・アン・アップル・ツリー(リンゴの木がある限り)」:ディオンヌ・ワーウィックがオリジナル。1968年のアルバム『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』に収録された小粋でいかにもバカラックなナンバー。本作では女声スキャットが原曲のオシャレな感じをより際立たせています。
A3.「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム(恋に生きて)」:ディオンヌ・ワーウィックがオリジナル。1970年3月にシングル・リリース(全米32位)され、同年のアルバム『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』に収録されたミディアム・テンポの3拍子曲。サビのメロディで、金管と男女コーラスがジャズワルツ風に跳ねてるのが素敵です。
B2.「 ニッキ 」:バート・バカラックが1966年12月にリリースしたシングルがオリジナル。バカラックはその後リメイクして1971年のアルバム『 BURT BACHARACH 』に収録しています。元曲よりもソフトな仕上がりで、特にフルートのトリルが可愛らしいです。
B4.「 ウォーキング・バックワーズ・ダウン・ザ・ロード(私が歩む世界)」:ディオンヌ・ワーウィックがオリジナル。A2.と同様『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』に収録されていた軽いタッチのバカラックらしい4拍子曲。元曲よりもアップテンポに、メロディはマリンバやソフトな金管が奏でていてオシャレ。1971年にカヴァーしたリズ・ダモンズ・オリエント・エクスプレス版に近い感じです。
B5.「 リヴ・アゲイン 」:アーマ・トーマスがオリジナル。1965年1月にレコーディングしたものの当時はリリースされず1992年に初めて世に出ました(詳しくはこちらのオマケ参照方)。…という認識でしたので、1972年時点でこの曲を取り上げることができたのは何故か? 実は他の誰かがカヴァーしていたのか? …謎です。元曲はR&B色ある仕上がりでしたが、本作では若干テンポを速め男女コーラスがダバダバとメロディを歌うことでラウンジ感を醸し出してます。
B6.「 テン・タイムス・フォーエヴァー・モア 」:ジョニー・マティスがオリジナル(板前魂の曙 板前魂 おせち 和洋風五段重 福良鮑(あわび) ローストビーフ付 5人前 55品目【12月30日着】を参考ください)。1971年の曲なのに、10年前の曲じゃないかと思えるような古風な3拍子の曲で、数多あるバカラック作品の中では凡作の範疇かと…。本作の中では珍しくピアノがメロディの殆どを弾いてます。

いい選曲だと思います(B6.を除いて💦)。


【データ】

『 A Portrait of Burt Bacharach 』
Jury Krytiuk Orchestra & Chorus

LP:1972年リリース
レーベル:Cynda Records (Canada)
番号:CHS 1006

Produced by Jury Krytiuk


※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年8月 8日 (日)

狐火/郷ひろみ (2021年)

2022年にデビュー50周年を迎える郷ひろみが2021年8月からの50年イヤーを飾るシングルとしてリリースした両A面シングル。2曲目の「 狐火 」がバカラック・カヴァー!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. 100GO!回の確信犯 (4:59)
2. 狐火(Original:BELLS OF ST. AUGUSTINE)(3:27)


1972年8月1日に「 男の子女の子 」でレコード・デビューした郷ひろみ。来年(2022年)にデビュー50周年を迎えるにあたり、2021年8月からの50年イヤーを飾るシングルとして8月4日にリリースした両A面シングルです。


T-1.「 100GO!回の確信犯」(読み: ヒャクゴカイノカクシンハン)は、18歳のトラックメイカーSASUKEが作詞・作曲・ミックスを担当し、郷ひろみが今まで発表してきた全105曲のシングルの中から「 男の子女の子 」「 よろしく哀愁 」などの代表的なナンバー16曲を大胆にサンプリングして再構築した、アップ・テンポでファンキーなダンス・チューン。
個人的には「 誘われてフラメンコ 」がサンプリングされてるのが嬉しい。よくカラオケで歌った曲なんで(遠い目…)

んで、T-2.「 狐火 」は、バート・バカラックがダニエル・タシアンとのデュオ名義で2020年に発表した「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」※ のカヴァー。テンポの遅いバラード曲で、A-B-A-B-ブリッジ-Bという構成。地味な印象の曲ですが、Bパートでのコード進行、ブリッジ〜Bパートに移る2小節の別世界感、Aメロ中のオクターヴの飛躍にバカラックを強く感じます。

─ …バラードの方(狐火)はバート・バカラックという有名な音楽家の方のカバーで、なおかつ日本語の歌詞を書いたのはゲスの極み乙女の川谷絵音さん。バカラックのメロディにこの詞を載せていったというギャップを楽しんでいただけると思うし、ある程度のキャリア、年齢を重ねてきたからこそ歌える、そんな曲になってると思います。 ─ (郷ひろみ談:某インタビュー記事より)

アレンジは原曲の完コピ。キーも一緒だしテンポも♩≒71で一緒。ただ、雰囲気はちょっと違います。ダニエル・タシアンが乾いた歌声で淡々と歌うのに対して、郷ひろみの歌声はウェットで狐火のような妖しげな雰囲気がするんですよねー。歌詞が日本語ってゆーのもあるんでしょうが。いいカヴァーだと思います。

それにしても…この曲をカヴァーするアイディア、誰が思い付いたんだろう? 郷ひろみ本人とは思えんしなぁ…💦

※ 記事リンク:「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」収録アルバム
BLUE UMBRELLA (2020)
BLUE UMBRELLA【CD】(2020)
BLUE UMBRELLA The Complete Recordings (2021)


【データ】
「 100GO!回の確信犯 」/「 狐火 」
郷ひろみ

CDシングル:2021年8月4日リリース
レーベル:Sony Music Labels (JP)
番号:SRCL 11857

T-2.「 狐火 」
  Original:「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」
  Written by Daniel Tashian, Burt Bacharach
  日本語詞:川谷絵音(訳詞ではなく曲名含めて独自の詞)
  Violin & Viola:今野均
  Guitar & Bass:遠山哲朗
  Strings,Drum & Piano Programming:朱建培、団野健
  Mix:木村篤史
  Producer:団野健

2021年7月25日 (日)

KEN JE MIJ/Trijntje Oosterhuis (2008年)

オランダの歌手、トラインチェ・オースターハウス(英名トレインチャ)のアンプラグド・ライヴ録音盤CD2枚組。半分以上の15曲がバカラック作品!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


CD2枚 全25トラック中、バカラック作品は15トラック

Disc1
1. UNIVERSAL
2. ALFIE
3. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
5. PAINTED FROM MEMORY
6. DE GESTORVENE
7. KEN JE MIJ
8. BLACKBIRD
9. DON'T MAKE ME OVER
10. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
11. DE ZEE
12. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE

Disc2
1. WAITING FOR CHARLIE (TO COME HOME)
2. VLIEG MET ME MEE
3. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR
4. ON THE 4TH OF JULY
5. WHO'LL SPEAK FOR LOVE
6. THIS HOUSE IS EMPTY NOW
7. RADELOOS
8. WALK ON BY
9. I SAY A LITTLE PRAYER
10. CALICO SKIES
11. ON MY OWN
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
13. YOU ARE SO BEAUTIFUL

収録時間(Disc1/2) 約48分/約60分


オランダの歌手、トラインチェ・オースターハウス(英名トレインチャ:以後英名で)のアンプラグド・ライヴ録音盤です。

トレインチャは、本アルバム以前に2枚のバカラック作品集をリリースしています。2006年の第1弾『 THE LOOK OF LOVE BURT BACHARACH SONGBOOK、2007年の第2弾『 WHO'LL SPEAK FOR LOVE BURT BACHARACH SONGBOOK Ⅱ、いずれもメトロポール・オーケストラとコラボしたゴージャスなサウンドのスタジオ録音盤でございました。詳しくはそれぞれリンク先の拙ブログ紹介記事を参照ください。

本作はそれに続くアルバム。2008年3月にアコースティックギターをバックに歌ったライヴの実況録音盤です。ギターを弾いてるのはウルグアイ出身の男性ギタリスト、レオナルド・アムエド。当時、トレインチャは彼とのコンビでよくライヴをしていたようです。

んで、収録された全25曲のうちなんと半分以上の15曲がバカラック作品! Disc1-10.「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」以外の14曲は前2作のバカラック集で取り上げていた曲ですが、本作ではシンプルな演奏をバックにトレインチャのエモーショナルな歌声が味わえます。バカラック作品以外も含めて捨て曲はありません、素晴らしいアルバムです。

中でもエモーショナルさが際立ってる2曲が私のレコメンド。
まずDisc1-12.「 サン・ホセへの道 」。後半にトレインチャとギターがフェイク合戦をするんですが、これは聴いててテンション上がりますね。そして、本作中一番の白眉と言っていいのがDisc2-8.「 ウォーク・オン・バイ 」。中間部のギターのアドリヴもカッコいいし、後半部にトレインチャが観衆を煽ってだんだん盛り上がるのがもう堪りません。

なお、第2弾の日本盤ボーナス・トラックとして収録されていた「 フール・スピーク・フォー・ラヴ 」もレオナルド・アムエドのアコースティック・ギター1本をバックに歌ったライヴ・ヴァージョンでしたが、本作Disc2-5.「 フール・スピーク・フォー・ラヴ 」とは別物でした。

このライヴはDVD化もされてます。多分そのDVDからだと思うのですが、Disc1-2.「 アルフィー 」の動画がYouTubeに上がっています(バカラック作品ではないDisc1-1.「 UNIVERSAL 」も含めて)。会場の雰囲気等も含めて興味があったらご覧になってみてください。非公式なので気が引けますがこっそりリンク貼っておきます。 → こちら

※ 収録曲のうち半分以上がバカラック・カヴァーなので、拙ブログのルールにのっとりカテゴリーを “カヴァーアルバム” としました。


【データ】
『 KEN JE MIJ LIVE & AKOESTISCH IN DE RODE HOED
Trijntje Oosterhuis Leonardo Amuedo op gitaar

CD:2008年リリース
レーベル:BLUE NOTE / EMI Music Netherlands
番号:5099922911223

On guitar acoustic, steel & nylon: Leonardo Amuedo
Audio recordings, mixing & mastering: Paul Pouwer
Recorded live in De Rode Hoed in Amsterdam on March 19, 2008

2021年7月 4日 (日)

冷蔵庫収納ケース 食品貯蔵容器 収納ボックス 食品保存容器 フレッシュキーピングボックス 冷蔵庫オーガナイザーボックス 冷蔵庫収納ボックス 食品容器 冷蔵庫オーガナイザー 食品 収納 ラック 透明ボックス (A)

郷ひろみが8月4日にリリースする両A面シングル『 100GO!回の確信犯/狐火 』。そのうち「 狐火 」は、バート・バカラックがダニエル・タシアンとのデュオ名義で2020年に発表した「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」のカヴァーとのこと。日本語詞は川谷絵音氏。

…私は6月17日のネットニュースで知りました。詳細はこちら(郷ひろみ公式サイトのINFO)を参照ください。

まだご存知ない方もいらっしゃるかと思い、記事にした次第です。
どんなカヴァーになってるんでしょーかねぇ。

追記 2021/8/8:リリース後に書いた記事は こちら

2021年6月 6日 (日)

Playing Burt Bacharach and Duke Ellington/Sante Palumbo Trio (2016年)

イタリアの男性ジャズピアニスト、サンテ・パルンボのトリオによるバート・バカラック&デューク・エリントン集です。(CD無し/デジタル配信のみ)

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全9トラック中、バカラック作品は6トラック

1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU (8:11)
2. WIVES AND LOVERS (5:41)
3. ALFIE (6:10)
4. THE LOOK OF LOVE (6:09)
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (5:03)
6. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD (4:11)
7. CARAVAN (1:52)
8. SOPHISTICATED LADY (3:39)
9. TAKE THE "A" TRAIN (5:03)

収録時間約46分


イタリアの男性ジャズピアニスト、サンテ・パルンボのトリオによるバート・バカラック&デューク・エリントン集です。

Sante Palumbo(サンテ・パルンボ)は1932年、南イタリア生まれ。初期キャリアよりローカル・ジャズ・シーンで引っ張りだこで、米ミュージシャン、Johnny GriffithやTony Scott、Joe Venutiらにも同行し、イタリアのジャズ・フェスティバルで一躍名を馳せた方だそう。


トリオを組んでる他の2人もイタリア人。ベースのAttilio Zanchi(アッティリオ・ザンキ)は1953年ミラノ生まれ。1992 年に「年間最優秀イタリア人ベーシスト」に選ばれています。ドラムのTommy Bradascio(トミー・ブラダッシオ)は3人の中では一番若く、POP、ジャズ、クラシックから現代音楽まで幅広い分野で活躍しているドラマー/パーカッショニストとのこと。

本アルバム全9曲のうちバカラック・ナンバーは6曲。いわゆるカヴァー定番曲ばかりで、4曲(T-1,2,5,6.)がトリオ、2曲(T-3,4.)はピアノソロでの演奏です。まず感じるのは、生気に溢れたエネルギッシュなピアノ。2016年リリースだから前年か同年にレコーディングしたとしてサンテ・パルンボ83〜84歳ってことになるんですが、とてもそうは思えません。素晴らしい!

バカラック・ナンバー6曲全てレコメンドなんですが、中でも白眉なのはピアノソロの2曲。T-3.「 アルフィー 」、T-4.「 恋のおもかげ 」とも尺は6分少々もあるのに途中でダレることなく、アドリヴ含めて曲想がバラエティ豊かで繰り返し聴いても飽きません。「 アルフィー 」はイントロや後半のアドリヴ部分、「 恋のおもかげ 」はイントロから曲の中盤までが特に素敵です。

リリカルなT-1.「 遥かなる影 」、情熱的なT-2.「 素晴らしき恋人たち 」、洒落てるT-5.「 ディス・ガイ 」、ハードで楽しいT-6.「 雨にぬれても 」。これらトリオの4曲もそれぞれ印象に残ります。退屈しません、少なくとも私は。

オススメです。


【データ】
『 Playing Burt Bacharach and Duke Ellington 』
Sante Palumbo Trio




MP3:2016年 6月10日リリース
レーベル:Mare Blanco Records (Italy)

番号:-

Sante Palumbo:Piano
Attilio Zanchi:Bass
Tommy Bradascio:Drums
その他詳細は不明

2021年5月12日 (水)

㊗️ バカラック爺 93歳!

5月12日はバート・バカラック爺の誕生日。93歳 おめでとうございます。

昨年(2020年)4月の来日ツアーはコロナ禍でキャンセルになり、それはそれは残念でした。でも、ダニエル・タシアンやメロディ・フェデラーと各々共作した新曲をリリースするなど、元気でいてくれて嬉しいです。

…2014年、バカラック爺は来日ツアーの前に日本のファンに向けてメッセージ動画を送ってくれました。約20秒の短い動画ですが、これを観て妄想しましょう。「 マジか!? バカラック爺、来日するって!! 」

2021年5月 9日 (日)

WIR LIEBEN BACHARACH!/V.A. (2012年)

ドイツ・ユニヴァーサル編集のバカラック物コンピ集です。1965年〜1973年にドイツでリリースされた、ドイツ語歌詞で歌ってる又はドイツ人アーティストの音源をコンパイル!

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1. Heiß Ist Der Kaffee In San José (DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE)  〜 Corry Brokken 〜  F
2. Doch Täglich Liebe Ich Sie Mehr (I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN)  〜 Bata Illic 〜  M
3. THE LOOK OF LOVE  〜 Roberto Delgado 〜  
4. Ein Rosarotes Himmelbett (PAPER MACHE)  〜 Ramona 〜  F
5. So Wie Ich (CLOSE TO YOU)  〜 Karel Gott 〜  M
6. Hallo, Pussycat (WHAT'S NEW PUSSYCAT?)  〜 Gus Backus 〜  M
7. CASINO ROYALE  〜 Horst Jankowski 〜  
8. In Gedanken Bin Ich Bei Dir (TRUE LOVE NEVER RUNS SMOOTH)  〜 Die Carawells 〜  F
9. Wenn Ich Nur Wüßt' Was Ich Tu' Ohne Dich (I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF)  〜 Waltraud Dirks 〜  F
10. Mach Dich Schön (WIVES AND LOVERS)  〜 Peter Beil 〜  M
11. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  〜 Peter Thomas Sound Orchester 〜  
12. Leben Kann Jeder Mensch Allein (THE GREEN GRASS STARTS TO GROW)  〜 Helena 〜  F
13. Ich Wünsche Mir So Viel Von Dir (I SAY A LITTLE PRAYER)  〜 Bata Illic 〜  M
14. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  〜 Henry Arland 〜  
15. Mitternacht (HASBROOK HEIGHTS)  〜 Ireen Sheer 〜  F
16. Ich Glaube An Die Menschlichkeit (THE WINE IS YOUNG)  〜 Ramona 〜  F
17. ALFIE  〜 Heinz Schachtner 〜  
18. Ein Haus Ist Kein Zuhaus (A HOUSE IS NOT A HOME)  〜 Corry Brokken 〜  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記

収録時間約52分


2012年にリリースされたドイツ・ユニヴァーサル編集のバカラック物コンピ集です。ドイツ語のアルバム名は英語で We Love Bacharach! の意味。ジャケットの絵柄そのものです。

ドイツ・ユニヴァーサルからは2001年に『 BURT BACHARACH - LOUNGE LEGENDS 』というバカラック物コンピ集が出ていますが、それと重複する音源はありません。『 … LOUNGE LEGENDS 』がグローバルにコンパイルしていたのに対し、本アルバムは1965年〜1973年にドイツでリリースされたドイツ語歌詞又はドイツ人アーティストの曲をコンパイルしているのが特徴です。

収録曲をいつもの様にリスト化してみました。



コンパイルされた18曲は全てカヴァー。そして歌入りの13曲は全てドイツ語歌詞。知らないアーティストばかりなので色々ネットで調べてカタカナ表記しました(合ってるか自信はありません💦)。ライナーノーツに収録元アルバムorシングルのデータ(ジャケ写 ↓ 含めて)がしっかり載っていたので表の右側を埋めるのは楽だったんですけど…。ただし、T-14.のジャケ写は載ってなかったのでDiscogsから画像を借用しました。



T-1.「 サン・ホセへの道 」はディオンヌ・ワーウィック版のほぼコピー。コーリー・ブロッケンはオランダ人の女性シンガーです。T-2.「 恋よ、さようなら 」もディオンヌ版のほぼコピー。歌ってるバタ・イリックはユーゴスラビア出身でドイツで活躍した男性シンガー。野口五郎に似てると思ったのは私だけ?  T-3.「 恋のおもかげ 」はセルメン版の完コピに近いインスト物。ロベルト・ベルガードはドイツの男性バンド・リーダー Horst Wende の別名だそう。T-4.「 ペイパー・マシェ 」はディオンヌがオリジナルのレア曲で、そのほぼコピー。歌ってるラモナはドイツの女性シンガー。のちに Ramona Wulf 名義でディスコを歌って活躍したとか。T-5.「 遙かなる影 」を歌ってる男性シンガーはチェコ人のカレル・ゴット。チェコで最も成功した大御所男性歌手だそう。カーペンターズ版ベースですがストリングス主体の落ち着いた演奏をバックに朗々と歌い上げています。T-6.「 何かいいことないか子猫チャン 」はトム・ジョーンズの完コピと言っていいでしょう。歌ってるガス・バッカスは米男性歌手。兵役駐留先のドイツでソロ歌手として活躍したそうです。

T-7.「 カジノ・ロワイヤル 」はドイツ人の男性ジャズピアニスト/バンドリーダー、ホルスト・ヤンコフスキーによるインスト物。ピアノのアドリブやマシンガンの銃声を入れた演出など、ユニークなカヴァーです。T-8.「 恋は異なもの(苦しい恋こそ真の恋)」は英国の女性ポップ・デュオ、キャラヴェルズによるドイツ語カヴァー。アレンジが可愛らしいです。T-9.「 恋のとまどい 」はダスティ・スプリングフィールド版のカヴァー。歌ってるヴァルトラウト・ダークスはドイツ人女性シンガーです。T-10.「 素晴らしき恋人たち 」はドイツ人男性シンガー、ペーター・バイルによるカヴァー。T-11.「 ディス・ガイ 」はピーター・トーマス・サウンド・オーケストラによるインスト物。ピーター・トーマスはドイツ人男性作編曲家で、TV/映画のサウンドトラックを多く手がけたそう。T-12.「 ほほえみのグリーン・グラス 」はディオンヌがオリジナルのレア曲。歌ってるのはチェコ人の女性シンガー、ヘレーナ。本名の Helena Vondráčková(ヘレーナ・ヴォードラコーワ)名義でも多数リリースしている様です。


T-13.「 小さな願い 」はディオンヌ版ベースのカヴァーで、バタ・イリックが歌ってます。T-14.「 雨にぬれても 」はドイツ人男性クラリネット奏者、ヘンリー・アーランドによるインスト物。T-15.「 ハズブルック・ハイツ 」はバカラックがオリジナルのレア曲ですが、ここではディオンヌ版ベースにカヴァーしています。歌ってるのはイギリス人女性シンガー、アイリーン・シアー。彼女はドイツで活躍した方なんだそう。T-16.「 ワイン・イズ・ヤング 」はディオンヌがオリジナルの超レア曲。ラモナが頑張って歌ってます。T-17.「 アルフィー 」はドイツ人の男性トランペット奏者/バンドリーダー、ハインツ・シャハトナーによるインスト物。ルンバにアレンジした異色なカヴァーです。T-18.「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」はコーリー・ブロッケンが歌うオーソドックスなアレンジのカヴァー。

こうしてみると、歌入りの曲は歌詞をドイツ語にしただけという印象が強いですかねぇ。なので、私のレコメンドはレア曲であるT-4.「 ペイパー・マシェ 」、T-12.「 ほほえみのグリーン・グラス 」、T-15.「 ハズブルック・ハイツ 」、T-16.「 ワイン・イズ・ヤング 」あたり。どうしてこの曲をカヴァーしたんだろう…と興味が湧きます。
インスト曲だと、とてもユニークなT-7.「 カジノ・ロワイヤル 」がイチオシです。


ここからはオマケ。MP3で所有しているバカラック・カヴァーをいくつか紹介します。

ホルスト・ヤンコフスキーは、1968年にHorst Jankowski Quartett 名義のアルバム『 Piano Affairs 』で「 ディス・ガイ 」(3:14) をカヴァー。彼のピアノが主役のカルテットなんですが、男女バックコーラスが入ったイージーリスニング物でございます。また、1991年のアルバム『 Pop Goes Swing 』では「 愛のハーモニー 」(4:19) をカヴァー。スウィングにアレンジしたビッグバンド演奏で、これは楽しい!

ヘレーナは、1972年にHelena Vondráčková(ヘレーナ・ヴォードラコーワ)名義でリリースしたアルバム『 Isle Of Helena 』で「 愛の思い出 」(2:49)、「 小さな願い 」(2:56) の2曲をカヴァー。いずれも歌詞は英語のままで、前者はオリジナルのサンディ・ショウ版ではなくディオンヌ版をカヴァー。後者はオリジナルであるディオンヌ版のカヴァーです。



【データ】
『 WIR LIEBEN BACHARACH! 』
V.A.

CD:2012年4月20日リリース
レーベル:Boutique / Universal Music GmbH (Germany)
番号:06007 5332218

This compilation:(P)&(C)2012 Universal Music Classics & Jazz, a Division of Universal Music GmbH
Made in the EU.

2021年5月 2日 (日)

Coming Home/Tomi Malm (2020年)

フィンランド出身のキーボード奏者/サウンド・クリエイター、トミ・マルムのセカンド・アルバム。バカラックの未発表曲1曲を発掘 → レコーディングして収録!

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全17トラック中、バカラック作品は1トラック

14. LEAVE IT TO THE GIRLS  〜 Feat. Ashton Moran 〜 (4:28)


─ ソロ・デビュー作1枚で北欧AORシーンのトップ・アクトに分け入ったフィンランド出身のキーボード奏者/サウンド・クリエイター、トミ・マルムの待望セカンド・アルバム降臨。リード・ヴォーカルにビル・キャントス、マリリン・スコット、ランディ・グッドラム、オーレ・ブールドに故ウォーレン・ウィービー他。演奏陣にも前作からの豪華L.A.ミュージシャンに加え、タイトル曲にはスティーヴ・ルカサーの名も。期待を微塵も裏切らない、鉄壁のAORチューン満載。日本盤でしか聴けないボーナス/差替トラックも収録。 ─ (金澤寿和氏、日本盤CDの帯より)

ソロ・デビュー作、参加ミュージシャン、日本盤のみのボーナス/差替トラック等については、日本盤CDの帯↓をご覧くださいませ。ついでに、ブックレットにあったトミ・マルムの近影も載せておきます。ちなみに、レーベル Contante & Sonante のYouTube公式チャンネルにあるティザー動画(2分弱)ではフィーチャーしたリード・ヴォーカリストの面々が紹介されてます。


SNSで “ バカラック作品の未発表曲収録 ” と知って本アルバムを注文したのですが、届いたCDの帯にそんな記述は見当たらず…。ちょっと不安になりましたが、ブックレットのクレジットを見てT-14.「 LEAVE IT TO THE GIRLS 」がバカラックとトニオ・Kの共作曲であることを確認。よかったぁ😃。そして、日本語ライナーノーツを読んでトミ・マルムがこの曲を取り上げた経緯を知ることができました。

─ 14. Leave It To The Girls   偉大なるポップ・マエストロ、バート・バカラックの未発表曲。共作者トニオKは、クリケッツとの共演歴もあるベテランのロックン・ローラーで、78年にソロ・デビューし、ソングライターとしても活躍している。Contante & Sonanteでは、17年にバカラックとトニオKの共作デモ集を発表した。「 あの時のアウトテイクではなく、私がこの新作に取り組み出したばかりの頃に見つけた曲。恐れ多くも、それをレコーディングする機会を得ました。まさにバカラックとしか言い様のない曲。アシュトン・モーランのヴォーカルがピッタリです。私はこの曲を子供の頃に聴いたバカラック・ソングの数々と同じように仕上げたいと思いました。この曲のヴァイブスが大好きなんです!」 アシュトンは前作にも参加していた米国人ヴォーカリスト。サックスのニック・ヴィンスケヴィッチはロシア人で、18年にビル・チャンプリンも参加したUS録音のリーダー作を出している。 ─ (金澤寿和氏、日本盤CDのライナーノーツより。「 」はトミ・マルムのコメント。

バカラックとトニオ・Kの共作デモ集『 Original Demos 』のライナーを見返してみたら、Thank You's (P.14) の後半部分にこんな記述を発見! ─ (略)An extra special thanks to Scott Gross, Morten Hansen, Harald Wessel, Tomi Malm and Tommaso Dorliguzzo, and…(略) ─ トミ・マルムもあのアルバムに関わってたんですねぇ。

T-14.「 LEAVE IT TO THE GIRLS 」はスローテンポ(♩≒65)のバラード曲。16ビートバラードのリズムやキラキラしたキーボードの音色など、アレンジはまさしくAOR的(アダルト・コンテンポラリー的)な印象。サビでもあまり盛り上がらない(褒めてる)メロディラインはバカラックらしいと思いますが、変拍子もなく楽節も一般的な2, 4, 8小節単位ですから全体として楽曲自体のバカラック風味は薄いかな…。トミ・マルムの言う “ まさにバカラックとしか言い様のない曲 ” “ 子供の頃に聴いたバカラック・ソングの数々と同じように仕上げたい ” というのは'80年代〜'90年代のバカラック曲をイメージしてるんですかねぇ…。であれば、乾いた歌声の “ アシュトン・モーランのヴォーカルがピッタリ ” なのは全く同意するところです。

『 バート・バカラック自伝 ザ・ルック・オブ・ラヴ 』の巻末付録 Burt Bacharach Composition:Song List には、この「 LEAVE IT TO THE GIRLS 」が「 COUNT ON ME 」「 IN MY DREAM 」とともに [unreleased demo] として載ってました。これらの3曲はいずれもバカラックとトニオ・Kの共作曲で、2001年11月に Todd Herzog という男性シンガーによってデモ録音されたもの。発掘してくれたトミ・マルムには感謝です。「 COUNT ON ME 」はその後2003年ロナルド・アイズレーが歌っています。残る1曲「 IN MY DREAM 」も聴いてみたいなぁ。



【データ】
『 Coming Home 』(邦題:カミング・ホーム)
Tomi Malm

CD/MP3:2020年10月15日リリース (所有CDは、2021年1月20リリースの日本盤、監修・解説:金澤寿和氏)
レーベル:CONTANTE & SONANTE (España) (所有CDは、P-Vine Records)
番号:CSCD-0120 (所有CDは、PCD-94013)

All Produced, Arranged and Mixed by Tomi Malm
except T-2,5 Mixed by Mikko Raita at Studio Kekkonen, Helsinki, Finland

Executive Producer:Gabriel Raya for CONTANTE & SONANTE
Mastered by Svante Forsbäck at Chartmakers Oyorsbäck, Helsinki, Finland

T-14.「 LEAVE IT TO THE GIRLS 」
  (Burt Bacharach / Tonio K.)
  Lead Vocals:Ashton Moran
  Keyboards:Tomi Malm
  Bass:Lars-Erik Dahle
  Drums:John Hammond

  Guitars:James Harrah and Tomi Malm
  Percussion:Carlos Merino and John Hammond
  Alto Saxophone:Nick Vintskevich
  Background Vocals:Ashton Moran, ZoSia, Jeri Lynne, Sunho Lim and Tomi Malm


2021年4月25日 (日)

Living Together, Growing Together/The 5th Dimension (1973年)

米国のコーラス・グループ、フィフス・ディメンションが1973年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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Original LP front cover/back cover

Lurrose ステンレス鋼トレイ アーク 多機能 化粧トレー キャッシュトレイ 小物トレー 玄関トレイ タトゥートレイ-タトゥーめつ菌用 手術器具トレイプレート サイズL
所有リイシューCD(2 on 1)のジャケット表/ケース裏

全11トラック中、バカラック作品は2トラック

5. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER (3:50)
10. LET ME BE LONELY (4:02)


米国の5人組コーラス・グループ、フィフス・ディメンションが1973年にリリースしたアルバムです。

前回ご紹介したアルバム『 Individually & Collectively 』の次のアルバムになるわけですが、バカラック作品を2曲カヴァーした上に、そのうち1曲 〜 T-5.「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」をアルバムのタイトルにしちゃってます。

この頃バカラックはコロンビア映画『 LOST HORIZON(失われた地平線)』の音楽を担当。1973年2月の映画公開に先立って1972年12月にサントラ盤がコロンビア傘下の Bell Records よりリリースされました。「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」という曲はその映画の挿入歌で、トニー・ベネットが1972年10月にカヴァーしてシングルをリリース。そして1972年12月にはフィフス・ディメンションがカヴァーしてシングルをリリースしたワケです。フィフス・ディメンションは当時 Bell Records に所属していたので、映画を宣伝する意図があったのでしょう。

T-5.「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー」は前述の通りカヴァーですが、シングル(Bell 45310、A面)は全米32位を記録してこの曲の最もポピュラーなバージョンとなっています。イントロのピアノの刻みや薄いトランペットの音色、リードヴォーカルを立てずに男女コーラス/男声コーラス/女声コーラスがユニゾンやハモリで聴かせるコーラスワーク、全体的に軽いタッチのアレンジ&演奏…。バカラックによるセルフカヴァー版も含めてやっぱりフィフス・ディメンション版がこの曲のベストだと思います。ちなみに、フィフス・ディメンション版の邦題は「 愛の仲間達 」のようですが、ここでは一般的な邦題で統一させていただきました。

もう一つのバカラック・カヴァーはT-10.「 レット・ミー・ビー・ロンリー 」。オリジナルはディオンヌ・ワーウィックで、1968年のアルバム『 DIOONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』に収められています。3拍子のソウルフルなバラードで、構成やアレンジはディオンヌ版と大きく変わりません。この曲でソロヴォーカルを担っているフローレンス・ラルーの声域に合わせたんでしょう、ディオンヌ版よりもキーが短3度低くて落ち着いた印象を受けます。

本アルバムは、前作と比べて全体的に音質も格段にクリアになりのちのフュージョン的なサウンドに近づいてるように感じます。バカラック・カヴァー以外で個人的なレコメンドはT-3.「 CHANGED 」、コード進行が妖しげで結構好きです。


【データ】
『 Living Together, Growing Together 』(邦題:愛の仲間達)
The 5th Dimension

LP:1973年リリース (所有CDは、2007年にリイシューされた輸入盤、2 on 1です)
レーベル:Bell Records (US) (所有CDは、米リイシューレーベルのCollectors' Choice Music)
番号:BELL-1116 (所有CDは、CCM-782)

Production and Sound by Bones Howe
Vocal Direction:Bob Alcivar

Prduction Co-ordination: Pam Vale
T-5.「 LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER 」
  From Ross Hunter's Production of "Lost Horizon" for Columbia Pictures

  (Burt Bacharach - Hal David)
  Arranged & Conducted by Artie Butler
  Vocal Arranger:Bob Alcivar
  Artie Butler - Piano
  Hal Blaine - Drums
  Joe Osborn - Bass
  Dennis Budimir - Rhythm Guitar
  Louie Shelton - Electric Guitar
  Mike Melvoin - Electric Piano
  Larry Bunker - Congas
T-10.「 LET ME BE LONELY 」
  (Burt Bacharach - Hal David)
  Vocal Solo:Florence LaRue Gordon
  Arranged by Bob Alcivar, Bill Holman & Bones Howe

  Hal Blaine - Drums
  Joe Osborn - Bass
  Larry Knechtel - Organ
  Zavier - 12 String Guitar
  Jimmy Rowles - Piano
  Gary Illingworth - Electric Piano
  Dennis Budimir - Electric Guitar
  Trumpet Solo:Ollie Mitchell
Accompanied by The 5th Dimension studio Orchestra

2021年4月18日 (日)

Individually & Collectively/The 5th Dimension (1972年)

米国のコーラス・グループ、フィフス・ディメンションが1972年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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Original LP front cover/back cover

オーブンミトンセット、耐熱キッチンミトン、ポリエステル綿の裏地と滑り止めの表面、200度の耐熱性、ベーキング、調理、バーベキュー用 N/a/a
所有リイシューCD(2 on 1)のジャケット表/ケース裏

全11トラック中、バカラック作品は1トラック

3. ALL KINDS OF PEOPLE (3:07)


米国の5人組コーラス・グループ、フィフス・ディメンションが1972年にリリースしたアルバムです。

フィフス・ディメンションが最初に歌ったバカラック・カヴァーは「 ONE LESS BELL TO ANSWER(悲しみは鐘の音と共に)」。アルバム『 portrait 』(1970年リリース)に収録され、シングルも全米2位となりました。拙ブログではベスト・アルバム『 GREATEST HITS ON EARTH 』(1972年リリース)で紹介しております。

そして本アルバムでもバカラック作品を1曲カヴァー。T-3.「 ALL KINDS OF PEOPLE(オール・カインズ・オブ・ピープル)」という3拍子曲なんですが、現在に至るまで片手くらいしかカヴァーのないレアな曲です。オリジナルのバカラック版(詳しくはこちらを参照)よりテンポゆっくりめ。イントロのピアノやヴォーカルソロを担ったフローレンス・ラルーのドスの効いた歌声がゴスペルちっくな雰囲気を醸し出してます。聴いててグッとくるんですよね。好カヴァーと思います。

アルバム自体は派手さはないけど聴くとイイですね〜。個人的なレコメンドはT-2.「 (LAST NIGHT) I DIDN'T GET TO SLEEP AT ALL(夢の消える夜)」(全米8位) やローラ・ニーロのT-11.「 BLACK PATCH 」あたりです。


【データ】
『 Individually & Collectively 』(邦題:五次元の結晶)

The 5th Dimension

LP:1972年リリース (所有CDは、2007年にリイシューされた輸入盤、2 on 1です)
レーベル:Bell Records (US) (所有CDは、米リイシューレーベルのCollectors' Choice Music)
番号:BELL-6073 (所有CDは、CCM-782)

Production and Sound by Bones Howe
Vocal Arrangements by Bob Alcivar
Vocal Arrangements on "ALL KINDS OF PEOPLE" by John Myles
T-3.「 ALL KINDS OF PEOPLE 」

  (Hal David - Burt Bacharach)
  Vocal Solo:Florence LaRue Gordon
  Arranged & Conducted by John Myles

2021年4月 4日 (日)

Close to you/Anita Meyer(1989年)

オランダの女性シンガー、アニータ・マイヤーによるバカラック・カヴァー集。レアな'80年代曲のカヴァーも!

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1. ANYONE WHO HAD A HEART
2. STAY DEVOTED
3. MAKING LOVE
4. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
5. HEARTLIGHT
6. I SAY A LITTLE PRAYER
7. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
8. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
9. OVERNIGHT SUCCESS
10. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF
11. YOU AND ME FOR ALWAYS
12. 24 HOURS FROM TULSA
13. MAKE IT EASY ON YOURSELF
14. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR

収録時間約51分


オランダの女性ポップシンガー、アニータ・マイヤーが1989年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

アニータ・マイヤーは1954年、オランダのロッテルダム生まれ。兄 René Meyer とデュオを組んで 1968年と1970年にシングルをリリースした後いくつかのバンドに参加。そして'70年代後半から'80年代にかけてソロシンガーとして成功を収めました。1981年8月リリースのシングル「 WHY TELL ME, WHY 」は1981年のオランダ年間売上No.1を記録し、彼女の代表曲になっています。

本アルバムの収録曲14曲は全てバカラック・カヴァーなんですが、興味深いのがその選曲。'60年代のバカラック&デイヴィッド作品8曲はまぁ王道といったところですが、'80年代の作品を6曲も取り上げてるのがミソ。しかもT-2,9,11.の3曲は超レア曲!

<'80年代の作品>
T-2.「 STAY DEVOTED(優しさいつまでも)」
Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager
Original:Dionne Warwick、アルバム『 Friends 』(1985年)

T-3.「 MAKING LOVE(メイキング・ラヴ)」
Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager, Bruce Roberts
Original:Roberta Flack、米映画『 Making Love 』(1982年)

T-5.「 HEARTLIGHT(ハートライト)」
Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager, Neil Diamond
Original:Neil Diamond、アルバム『 Heratlight 』(1982年)

T-9.「 OVERNIGHT SUCCESS(オーヴァーナイト・サクセス)」
Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager
Original:Gladys Knight & The Pips、アルバム『 All Our Love 』(1987年)

T-11.「 YOU AND ME FOR ALWAYS(ユー・アンド・ミー・フォー・オールウェイズ)」
Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager
Original:Barbra Streisand、アルバム『 Till I Love You 』(1988年)

T-14.「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR(愛のハーモニー)」
Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager
Original:Rod Stewart、米映画『 Night Shift(ラブ IN ニューヨーク)』(1982年)
Cover Hit:Dionne & Friends、アルバム『 Friends 』(1985年)

バカラックご本人がコメントを寄せていることも驚きです。

─ アーティストに曲のアルバム全体を作ってもらうときはいつでも、それは大きな名誉です。しかし、アニータ・マイヤーの芸術性と音楽性を備えた歌手がいると、それは名誉であるだけでなく、特別な喜びにもなります。彼女は古いものと新しいものの両方で私のお気に入りの曲のいくつかを選んだ。アルバムを聴くのは本当に楽しかったし、リスナーも同じように感じるだろうと思う。 署名:バート・バカラック ─ (ブックレットの裏表紙より。機械訳です、悪しからず。)

全体的に、アレンジはオリジナル或いはヒットしたバージョンから大きく外れないもの。アニータはメリハリの効いたブライトな歌声で表現力もあります。'80年代曲のカヴァーに関しては気にならないのですが、シンセブラス系やシンセストリングス系の音色がまだ生楽器と開きがあるようで'60年代曲のカヴァーでは若干貧弱に感じる部分があります。それが惜しい点でしょうか。

でも、'80年代後半にバカラック・カヴァー集をリリースしたのは世界的にも多分アニータだけ。本アルバムはオランダのアルバムチャートで最高21位になりました。十分評価に値するアルバムだと思います。


【データ】
『 Close to you - The Most Beautiful Songs Of Burt Bacharach 』
Anita Meyer

CD:1989年リリース
レーベル:Ariola
番号:260.233

Produced by Martin Duiser
Arranged by Hans Hollestelle
Recorded at Bolland Studio's, Bullet Sound Studio's and Wisseloord Studio's Holland
Guests on T-14.「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR 」:Margriet Eshuis, René Froger, Rob de Nijs, Julya Loko
(P)(C) 1989 BMG Ariola Benelux B.V.

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年3月28日 (日)

BLUE UMBRELLA The Complete Recordings/Burt Bacharach and Daniel Tashian (2021年)

バート・バカラックとダニエル・タシアンが昨年(2020年)リリースしたアルバム『 BLUE UMBRELLA 』のコンプリート・レコーディング版です! 全9曲入り!

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1. TRAVELING LIGHT (5:18)
2. CAN'T GO WRONG (4:07)
3. BELLS OF ST. AUGUSTINE (3:29)
4. WHISTLING IN THE DARK (3:23)
5. BLUE UMBRELLA (4:19)
6. MIDNIGHT WATCH 4:08)
7. WE GO WAY BACK (3:16)
8. 21st CENTURY MAN (3:47)
9. QUIET PLACE (2:53)

収録時間約35分


バート・バカラックとダニエル・タシアンは、昨年(2020年)7月に配信限定でEP(ミニアルバム)『 BLUE UMBRELLA 』をリリースしました。この時は全5曲だったのですが、同年10月にボーナストラック2曲を追加して全7曲入り日本盤CD『 BLUE UMBRELLA 』をリリース。← 2人が共作した経緯等はリンク先(拙ブログ過去紹介記事)を参照ください。

そして今年(2021年)1月に今回ご紹介する『 BLUE UMBRELLA The Complete Recordings 』がリリースされました。更に2曲を追加収録した全9曲入りでございます。


届いたCD現物は紙ジャケットにディスクが1枚入ってるだけの代物。紙切れ1枚すら入っていません。ディスクもどうやらCD-Rみたいだしレーベル面の印刷も粗くてチープ…。前述の日本盤CDのブックレットはライナーノーツやクレジット等充実していただけに、余計貧相に感じます。


↑表の通り、今回追加収録されたのはT-1.「 TRAVELING LIGHT 」とT-2.「 CAN'T GO WRONG 」の2曲です。

以下、全9曲について簡単にコメントします。(T-3〜9.の7曲は過去記事より転載したものです、悪しからず)
※ 各曲名のリンク先はYouTubeのMV(2021/3/28時点で公式MVがアップされている曲のみ)

T-1.「 TRAVERING LIGHT 」(テンポ:♩≒90)
ミディアムテンポの淡々とした曲。Aメロ〜Bメロ部分はバカラックっぽさを感じる反面、4小節のフレーズを4回繰り返すサビのメロディはバカラックっぽくないなぁと思います。

T-2.「 CAN'T GO WRONG 」(♩≒55)
ゆったり&しみじみした曲調のバラード曲。メロディも含めてバカラック味は薄めかも。4ビートを刻むピアノと柔らかいストリングスが印象に残ります。

T-3.「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」(♩≒71)

5曲(最初にリリースされたT-3〜7)のうち最もテンポの遅いバラード曲で、A-B-A-B-ブリッジ-Bという構成。地味な印象の曲ですが、Bパートでのコード進行、ブリッジ〜Bパートに移る2小節の別世界感、Aメロ中のオクターヴの飛躍にバカラックを強く感じます。

T-4.「 WHISTLING IN THE DARK 」(♩≒85)
イントロ冒頭のシュールなピアノがとても印象的なメロディ・構成とも独特の曲。本編と関係ないストリングスによる緊張感ある30秒間のエンディングも独特。

T-5.「 BLUE UMBRELLA 」(♩≒97)
ほのぼのした曲調がアルバムの中では異色(笑)。飄々としたメロディラインや8小節という単位に収まらない小節数のフレージングにバカラックらしさが感じられます。

T-6.「 MIDNIGHT WATCH 」(♩≒96)
何かこねくり回して作られたように感じて、私にはピンと来ませんでした。

T-7.「 WE GO WAY BACK 」(♩≒80中心に揺れる)
装飾音に特徴があるバカラック爺のピアノをバックにタシアンが淡々と歌う美しい曲。間奏で時折ハーモニカがオブリガートを吹きますが、この曲はバカラック爺とタシアンのデュオと言っていいと思います。

T-8.「 21st CENTURY MAN 」(♩≒86)
タシアンと女性ヴォーカル(Jessie Baylin)が淡々と歌うミディアムテンポの4拍子曲。ストリングスと金管楽器だけになる約1分のエンディングにバカラックらしい響きを感じます。

T-9.「 QUIET PLACE 」(♩≒76)
バカラックらしいメロディが堪能できるバラード曲。特にイントロとエンディングのフリューゲルホーンはいかにもバカラック。タシアンの優しい歌声も心地よいです。

尚、『 BLUE UMBRELLA The Complete Recordings 』のデジタル配信版も3月24日にリリースされました。ただし、トラック順がCDとは違っています。ご留意くださいませ。


【データ】
『 BLUE UMBRELLA The Complete Recordings 』
Burt Bacharach & Daniel Tashian

CD:2021年1月29日リリース
レーベル:Big Yellow Dog Music (US)
番号:-

Written & Produced by Burt Bacharach and Daniel Tashian
Mixed by Ryan Hewitt
Mastered by Greg Calbi (Sterling Sound)
(c)(p) 2021 Big Yellow Dog Music, a division of Big Yellow Dog, LLC. All rights reserved.

↓ 左:CD、右:MP3

 

2021年3月21日 (日)

WINDOW WISHING/Ronni Wallis (1967年)

米女性シンガー、ロニー・ウォリスが1967年にリリースしたシングル盤。A面が超レアなバカラック・カヴァーです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


A. WINDOW WISHING (2:02)
B. THAT'S THE BOY (2:33)


米女性シンガー、ロニー・ウォリスが1967年にリリースした5枚目のシングル盤です。

彼女は、1950年代にコメディエンヌとして(歌手としても)人気を博したRuth Wallis(ルース・ウォリス)のお嬢さん。Ronnie Wallis名義も含めて1965〜67年に5枚のシングルをリリースしてるようですが、お姿の画像含めて詳しいことはわからず…。検索方法が下手くそなのかなぁ。

んで、シングルA面の「 ウィンドウ・ウィッシング 」がバカラック作品。オリジナルはディオンヌ・ワーウィックで、アルバム『 HERE I AM 』(1965年)に入っていました。カヴァーは、このロニー・ウォリス版、ブロードウェイの女優&俳優によるバカラック・カヴァー・アルバム『 THE BURT BACHARACH ALBUM 』(1998年)のAlet Oury版くらいしか知りません(インスト物を除いて)。超レアなカヴァーでございます。

元気な演奏をバックにロニーは元気に歌ってるんですが、歌声が一本調子だしピッチがうわずっていて「頑張って!」と声を掛けたくなります。各フレーズの小節数(楽節)も変だし、途中で転調っぽくスケールやコード進行が変わる、バカラックらしい曲。特にBメロの1,3小節め
(1コーラス目の歌詞が“Window wishing〜”のところ)のメロディは歌うと音程が取りづらそう。サラッと歌っていたディオンヌはやっぱりすごいな…と思ってしまいました。

ディオンヌ版、ロニー版、どちらもYouTubeにアップされています。興味がおありでしたら是非聴き比べを!


購入(もちろん中古で)したシングル盤のスリーブに“DECCA Phonographs(レコード再生装置の意)”の広告が…。そういや、Decca社製のカートリッジは特殊な構造をしてたんだっけなぁ(知識だけで現物見たことないですが)とか、そんなことを思い出しました。…どーでもいい話ですね💦


【データ】
「 WINDOW WISHING/THAT'S THE BOY 」

Ronni Wallis
Vocal With Chorus And Orchestra


7"Single:1967年8月リリース
レーベル:Decca (US)
番号:32175

Produced and Arranged by Fred Bailin
Recording Date:1966年12月15日
A. Written by Burt F. Bacharach - Hal David
B. Written by Barry Mann - Cynthia Weil

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年3月14日 (日)

TRY TO SEE IT MY WAY/Sue Raney (1966年)

米女性ジャズシンガー、スー・レイニーによる1966年のシングル。B面が超レアなバカラック・カヴァーです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)

B面

A. THERE GOES MY EVERYTHING (2:18)
B. TRY TO SEE IT MY WAY (2:28)


米女性ジャズシンガー、スー・レイニーが1966年にリリースしたシングルです。彼女についてはアルバム『 ALIVE AND IN LOVE 』(1966年)の紹介記事で触れてます(こちら)のでここでは割愛します。

シングルB面の「 TRY TO SEE IT MY WAY 」が超レアなバカラック・カヴァーなんですが、まさかこの曲がラジオから流れてくるとは!


─ さぁ、次は最後の曲ですかね。私の大好きな女性ヴォーカル、スー・レイニーさんのシングル・オンリーのレコードをかけてみたいと思います。数あるバート・バカラックの曲の中ではそれほど有名ではありませんが、僕はいい曲だと思います。ジョニー・ソマーズがオリジナルですが、スー・レイニーもすぐにカヴァーしてシングル盤を出しております。聴いて下さい、スー・レイニーで「 TRY TO SEE IT MY WAY 」。 ─ (『 宮治淳一のラジオ名盤アワー 』ラジオ日本 2021/2/28(日) 17:55-18:55 放送より)

宮治さんがおっしゃる通り「 TRY TO SEE IT MY WAY(涙のアドヴァイス) 」のオリジナルはジョニー・ソマーズ。1966年のTVミュージカル『 ON THE FLIP SIDE(オン・ザ・フリップ・サイド)』用にバカラック&デイヴィッドが提供した曲の一つで、そのサントラにはジョニー・ソマーズのソロ版とリック・ネルソンとのデュエット版の2バージョンが入ってました。同じ1966年にはペギー・マーチもシングルB面でカヴァーしています(コンピ盤『 The Rare Bacharach 1 』で紹介)。

スー・レイニー版は、オリジナルと同じリズム&ほぼ同じテンポ(オリジナルの♩≒118に対して♩≒120)でありながら全体的に落ち着いた雰囲気。キーが短3度低い(Aメロ最初の音がオリジナルのC#に対してB♭)こともあるんでしょうが、スー・レイニーの柔らかい歌声が効いてるようです。加えて、Aメロの最初の3小節のコード進行。オリジナルが2つのコードを使ってるのに対し、1つのコードだけを続けています。テンション系のコードだと思うのですが、単純じゃない大人の雰囲気を感じちゃいます。オリジナルにはなかった女性コーラス隊もサウンドに厚みを加えています(特にサビ部分)。


単なるコピーではない、好カヴァーと思います。


あと、このスリーブ、元々の色使いの渋さ&経年劣化の色褪せが融合して素晴らしい!(レーベルはA面です、悪しからず)


【データ】
THERE GOES MY EVERYTHING/TRY TO SEE IT MY WAY 」
Sue Raney

7"Single:1966年リリース(年末頃か?)
レーベル:Imperial
番号:66222 (私が所有しているのはプロモ盤)

Produced & Arranged by Tommy Oliver


※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年3月 7日 (日)

番組の感想 2021年3月5日 Eテレ『 ららら♪クラシック 』バート・バカラック特集

【番組タイトル】
ららら♪クラシック「 バート・バカラック ~名曲にクラシックのスパイスを~ 」
番組サイト

【放送日時・チャンネル】
2021年  3月  5日(金) 21:00~21:30   NHK Eテレ
2021年  3月11日(木) 10:25~10:55   NHK Eテレ(再)


3月5日の放送をリアルタイムで観ました。良い番組でしたね〜。
特に良かった点を3つほど。

1. 見事な“つかみ”
─ 栗山さんはバカラックをどんな作曲家だと捉えてらっしゃいますか? ─
─ ひと言で言うと、ちょっと変なんですよね。普通じゃない ─ 
番組の本編冒頭、石橋アナに訊かれて作曲家の栗山さんはいきなり「 」と発言。何が変なのか…、視聴者の興味を引く見事な“つかみ”でした。

2. わかりやすい解説
変拍子の多用、ユニークな楽節、凝りまくりのコード、歌いにくい音程…。番組はバカラック楽曲の「 」な部分(=クラシックの刺激的なスパイス)に迫っていくのですが、譜面と音(ピアノや声)を駆使したわかりやすい解説だったと思います。時間の制約がなければもっと掘り下げて聞きたかったです。

3. バカラック爺のインタビュー
─ 僕はこの自粛期間に創造的になった。情熱的に作曲に取り組みつづけている。ピアノに向かって曲を書くことで生きることにもっと前向きになれたよ ─ と語る92歳のバカラック爺! なんて前向きなんでしょう! 
番組の中でインタビュー部分は合計4分10秒ありました。未公開部分を含めて実際のインタビューはもっと長かったはず。オファーしたNHK番組スタッフ、オファーに応えてくれたバカラック爺、その他関係者の皆様に本当に感謝です!

中川さんと塩谷さんは演奏のみでコメントを聞けなかったのは残念でしたけど…。

せっかくなので、番組中に取り上げられたバカラックの楽曲をリストにしておきます。
(クリックすると大きくなります)



2021年2月28日 (日)

3月5日の Eテレ『 ららら♪クラシック 』はバート・バカラック特集‼️

毎週金曜夜に放送しているNHK Eテレの番組『 ららら♪クラシック 』、きたる3月5日の放送はなんとバート・バカラック特集なんですとっ‼️

【番組タイトル】
ららら♪クラシック「 バート・バカラック ~名曲にクラシックのスパイスを~ 」

【放送日時・チャンネル】
2021年  3月  5日(金) 21:00~21:30   NHK Eテレ
2021年  3月11日(木) 10:25~10:55   NHK Eテレ(再)

【内容】
─  92歳にして現役で活動する現代最高のポップス作曲家バート・バカラック。▽ラヴェルを敬愛し、ミヨーに作曲を学んだ彼の音楽には、クラシックからの影響が!バカラックの名曲に潜む、クラシックの素養がもたらす奥深い魅力を探る。▽バカラック本人がクラシックとの関わりなどを語った、この番組だけの貴重なインタビューもお送りします! ─ 番組サイトより)
司会:高橋克典、石橋亜紗
出演:栗山和樹(作曲家)、中川英二郎(トロンボーン)、塩谷哲(ピアノ)
語り:勝生真沙子


…それにしてもこの番組のためだけにバカラック爺にインタビューするとは❗️ さすがはNHKだわさ✨

ちなみに、塩谷哲さんは1996年にリリースされたバカラック・カヴァーアルバム『 Alfie Jazz Bacharach 』(拙ブログの紹介記事)にピアノで参加しとられました。その時のエピソード、何か話してくれないかなぁ。


2021/3/7追記:番組を観た感想 → こちら

2021年2月21日 (日)

Rare Bacharach The Early Years 1958-1965/V.A. (2009年)

2009年にリリースされた豪州編集のバカラック物コンピ集です。1961〜62年を中心に初期のレア音源を32曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. AND THIS IS MINE  〜 Connie Stevens 〜  F
2. TOO LATE TO WORRY  〜 Richard Anthony 〜  M
3. DON'T ENVY ME  〜 Joey Powers 〜  M
4. DREAMIN' ALL THE TIME  〜 Jack Jones 〜  M
5. WASTIN' AWAY FOR YOU  〜 The Russells 〜  F
6. MANPOWER  〜 The Exotics 〜  M
7. FOREVER MY LOVE  〜 Jane Morgan 〜  F
8. FAKER, FAKER  〜 The Eligibles 〜  M
9. BOYS WERE MADE FOR GIRLS  〜 Everit Herter 〜  M
10. THE HURTIN' KIND  〜 Lonnie Sattin 〜  M
11. SINNER'S DEVOTION  〜 Tina Robin 〜  F
12. HOT SPELL  〜 Ernie Felice 〜  M
13. THE ANSWER TO EVERYTHING  〜 Sam Fletcher 〜  M
14. FOR ALL TIME  〜 The Russells 〜  F
15. WAITING FOR CHARLIE (TO COME HOME)  〜 Jane Morgan 〜  F
16. ERRAND OF MERCY  〜 George Hamilton 〜  M
17. YOU'RE FOLLOWING ME  〜 Jimmy Breedlove 〜  M
18. SOMEBODY ELSE'S SWEETHEART  〜 The Wanderers 〜  M
19. CALL OFF THE WEDDING  〜 Babs Tino 〜  F
20. A LIFETIME OF LONELINESS  〜 Steve Alaimo 〜  M
21. LIVING WITHOUT LOVE  〜 Art Smalley 〜  M
22. MOON GUITAR  〜 The Rangoons 〜
23. DEEPLY  〜 The Shepherd Sisters 〜  F
24. I COULD MAKE YOU MINE  〜 The Wanderers 〜  M
25. THE TIMELESS TIDE  〜 The Freemen 〜  M
26. ALONG CAME JOE  〜 Merv Griffin 〜  M
27. WHO'S GOT THE ACTION?  〜 Phil Colbert 〜  M
28. TO WAIT FOR LOVE  〜 Paul Anka 〜  M
29. THIS EMPTY PLACE  〜 Janie Marden 〜  F
30. THE STORY BEHIND MY TEARS  〜 Vic Dana 〜  M
31. JOANIE'S FOREVER  〜 Buddy Clinton 〜  M
32. COME COMPLETELY TO ME  〜 Steve Rossi 〜  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記

収録時間約76分


2009年にリリースされた豪州編集のバカラック物コンピ集です。


タイトルは2003年に豪州Ravenから出た『 The Rare Bacharach 1 』と似ていますが、中身は全くの別物です。被りは1曲もありません。

収録曲をいつものようにリスト化してみました。


その中身は、アルバムタイトル通り1958年〜1965年にリリースされた30曲+2曲のデモ音源。リリース年で分類すると1958年1曲、1959年1曲、1960年4曲、1961年9曲、1962年7曲、1963年3曲、1964年2曲、1965年3曲。1960〜61年を中心に初期のレア音源全32曲が収録されています。全米/全英チャートと無縁のものばかりなのもバカラック物コンピ集としては希少な部類じゃないかなぁ。

他のバカラック物コンピ集では見かけない曲も17曲あります。(私が所有しているバカラック物コンピ集に限った話です。2015年以降にリリースされたバカラック物コンピ集は所有してませんし、50年以上経って著作権切れとなった音源は昨今のサブスク隆盛もあって巷に溢れてますから…。あくまでご参考ということで。)

それなりに知名度がある楽曲でも、ポール・アンカのT-28.「 トゥ・ウェイト・フォー・ラヴ(愛のおとずれ)」やジェイニー・マーデンのT-29.「 ジス・エンプティ・プレイス 」などのカヴァーはレアですしね。どちらも平凡なカヴァーではありますが💦

個人的なレコメンドをいくつか。

🔸ザ・ラッセルズのT-5.「 ウェスティン・アウェイ・フォー・ユー 」:チープだけど軽快なズンチャチャ・ナンバー。ザ・ラッセルズは女性ヴォーカル・グループのようですが、“パンパンパンパン…” とか “ランランランラン…” とかイントロや間奏で楽しげに歌うのがツボです。
🔸アーニー・フェリスのT-12.「 ホット・スペル 」:アーニー・フェリスはベニー・グッドマン楽団で活躍したアコーディオン奏者ですが、この曲ではなんとメインヴォーカル! オリジナルではバックコーラスが “ホット・スペル” と掛け合うところで金管楽器が “パォーン” と鳴るアレンジが面白い、ユニークなカヴァーです。
🔸ジョージ・ハミルトンのT-16.「 エランド・オブ・マーシー 」:メロディがニョロニョロしているズンチャチャ・ソング。以前の記事で取り上げてますので是非 こちら を。
🔸スティーヴ・アライモのT-20.「 ライフタイム・オブ・ロンリネス 」:ジャッキー・デシャノンのカヴァーが有名ですが、実はこれがオリジナル。男性が歌っていたとは意外でした。
🔸フィル・コルバートのT-27.「 フーズ・ガット・ジ・アクションズ? 」:変則的な小節数や音程の取りにくいメロディなど、バカラックらしさが仄かに感じられる曲。1965年リリースですが、1962年の同名映画のプロモーションソングだった模様。

24ページあるブックレットはライナーノーツも充実。“盤起こし” ということも明記してますし、マニア向けとして良心的なコンピ集かと。


ここからはオマケ。T-2.「 トゥー・レイト・トゥ・ウォーリー 」のオリジナルとカヴァーをご紹介。

オリジナルは①Babs Tino(バブス・ティーノ)で、1962年5月シングルをリリース<Kapp(US)>。チャート・アクションはありませんでした。

しかし同じ1962年、あの②ソフィア・ローレンが「 Donne-moi Ma Chance 」というタイトルで🇫🇷フランス語カヴァーしてシングルをリリース。その後はこのソフィア・ローレン版「 Donne-Moi Ma Chance 」がカヴァーされていきます。

すかさず同年、日本で③越路吹雪さんが「 チャンスが欲しいの 」というタイトルでカヴァー(日本語詞は岩谷時子さん)。シングル「 サン・トワ・マミー 」のB面となりました。

翌1963年に、英語版T-2.を歌った仏男性ポップ・シンガーの④リチャード・アンソニー、カナダ女性ポップ・シンガーの⑤Rosita Salvador、同じく⑥Gloria Lassoが「 Donne-Moi Ma Chance 」をカヴァー。いずれもシングルをリリースしました。

そして1964年にカナダの男性ヴォーカルグループ⑦Les Classelsが1stアルバム『 Les Classels 』で「 Donne-Moi Ma Chance 」をカヴァー。

それから半世紀以上経って、ポーランド?の女性シンガーソングライター⑧Natalia Moskalが2020年にリリースしたアルバム『 There Is a Star 』で「 Donne-Moi Ma Chance 」をカヴァーしました。
これらのうち②は以前紹介したバカラック物コンピ集『 LIPPY LIP BACHARACH 』で感想を書いてます。
また①③④⑥⑧はMP3で所有。③越路吹雪さんのカヴァーは粋な日本語歌唱とバックのビッグバンドのアレンジが素敵でレコメンド。⑧Natalia Moskalのカヴァーは昔風だけど今のサウンドっていうんでしょうか、これもレコメンドです。


【データ】
『 Rare Bacharach The Early Years 1958-1965 』
V.A.

CD:2009/10/12リリース
レーベル:Rare Rockin' Records (Australia)
番号:RRR SMS 1027

This Compilation Including Liner Notes and Tracks Compiled and Produced by:Mike Edwards, Robbie Indart and Ash Wells.
A RRR Production 2009.
These recordings have been remastered from original vinyl sources to maintain a dynamic oldies sound.

2021年2月 7日 (日)

Burt Bacharach The First Book of Songs 1954-58/V.A. (2009年)

作曲家バート・バカラックのキャリア最初期の曲ばかりを集めた英国編集のコンピ集です。マニア向け。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. KEEP ME IN MIND  〜 Patti Page 〜  F
2. THESE DESPERATE HOURS  〜 Mel Tormé 〜  M
3. PEGGY'S IN THE PANTRY  〜 Sherry Parsons 〜  F
4. THE MORNING MAIL  〜 The Gallahands 〜  M
5. I CRY MORE  〜 Alan Dale 〜  M
6. BEAUTY ISN'T EVERYTHING  〜 June Valli 〜  F
7. THE STORY OF MY LIFE  〜 Marty Robbins 〜  M
8. UNINVITED DREAM  〜 Peggy Lee 〜  F
9. LOVE BANK  〜 Bob Manning 〜  M
10. WARM & TENDER  〜 Johnny Mathis 〜  M
11. UNDERNEATH THE OVERPASS  〜 Jo Stafford 〜  F
12. SAD SACK  〜 Jerry Lewis 〜  M
13. WINTER WARM  〜 Gale Storm 〜  F
14. THE STORY OF MY LIFE  〜 Michael Holliday 〜  M
15. MAGIC MOMENTS  〜 Perry Como 〜  M
16. HOT SPELL  〜 Margaret Whiting 〜  F
17. THE NIGHT THAT HEAVEN FELL  〜 Tony Bennett 〜  M
18. THE BLOB  〜 The Five Blobs 〜  M
19. SATURDAY NIGHT IN TIAJUANA  〜 The Five Blobs 〜
20. WENDY WENDY  〜 The Four Coins 〜  M
21. SITTIN' IN THE TREE HOUSE  〜 Marty Robbins 〜  M
22. HUMBLE PIE  〜 The Four Preps 〜  M
23. IT SEEMED SO RIGHT LAST NIGHT  〜 Mary Mayo 〜  F
24. HEAVENLY  〜 Johnny Mathis 〜  M
25. ANOTHER TIME, ANOTHER PLACE  〜 Patti Page 〜  F
26. THAT KIND OF WOMAN  〜 Joe Williams and The Count Basie Orchestra 〜  M
27. SEARCHING WIND  〜 Burt Bacharach 〜
28. ROSANNE  〜 Burt Bacharach 〜

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記

収録時間約69分


作曲家バート・バカラックのキャリア最初期の曲ばかりを集めた英国編集のコンピ集です。

─ ブライアン・ウィルソンからビル・エバンス、フランク・ザッパまで万人から尊敬を集めたバカラックも、駆け出しの頃はもがき苦しむ妥協の日々でした。このコンピ集は、最初の大ヒット曲「マジック・モーメンツ」「ザ・ストーリー・オブ・マイ・ライフ」が生まれた頃…折衷的な見習い時代を垣間見れる興味深いコレクションです。 ─ (CDケース裏コメント後半部分を私の超意訳で)

収録曲をいつものようにリスト化してみました。


収録されてる全28曲は1955年〜1959年にリリースされた曲のみ。他のバカラック物コンピ集(私が所有しているものに限りますが)では見かけない曲も9曲あります。そして映画に関係してる曲が9曲も…映画が盛んな時代だったんですね。

聴いてみると、その時代の音楽だなぁとは感じますがバカラックの曲という感じはしません。まだ自分を殺して(or 自分がいいと思う曲を書いても否定されて)その当時のポップ・ソングの単純な文法に則って作曲してた頃ですからねぇ。

─ ハルとわたしはT-3.「 ペギーズ・イン・ザ・パントリー 」やT-11.「 アンダーニース・ジ・オーヴァーパス 」といった、まるで箸にも棒にもかからない曲を共作した。 ─ (バカラック自伝より。トラック番号のみ私が追記)
─ ハルとわたしで書いたT-26.「 ザット・カインド・オブ・ウーマン 」という曲は忘れられない。その曲を送ったA&Rマンは、3小節のフレーズを4小節に変えたら、ジョー・ウィリアムズにうたわせてもいいと言ってきた。わたしはその要求を呑み、ウィリアムズはこの曲をレコーディングしたが、まるっきりものにならなかった。 ─ (同)

バカラック自伝にあったこんな自虐的な記述も、曲を聴けばまぁそうかぁと思ってしまいます💦

尚、T-27.「 SEACHING WIND 」と T-28.「 ROSANNE 」の2曲はバカラック作曲じゃなくて他人の曲。バカラック名義でリリースした初めてのシングル盤A,B面で、どちらもバカラックのピアノ+ストリングス中心のオケという所謂イージーリスニング物です。

細かい文字の長文ライナーノーツは、駆け出しの頃中心にバカラックのキャリアを解説。日本語訳が欲しい! 収録曲に関するアーティスト写真や映画のパンフ等も載ってます。ただし各曲解説は残念ながら無し…。いずれにせよマニア向けのバカラック物コンピ集かと。2012年には続編も出ています。


【データ】
『 Burt Bacharach The First Book of Songs 1954-58 』
V.A.

CD:2009/2/16リリース
レーベル:Él Records(UK) / Cherry Red Records(UK)
番号:ACMEM166CD

Liner Notes - Christopher Evans
(C)2009 Cherry Red Records


2021年1月24日 (日)

I FORGOT WHAT IT WAS LIKE/Ray Peterson (1963年)

米男性ポップシンガーのレイ・ピーターソンが1963年にリリースしたシングル。A面がバカラックの書き下ろし曲です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


A. I FORGOT WHAT IT WAS LIKE (2:43)
B. BE MY GIRL (2:12)


米男性ポップシンガーのレイ・ピーターソンが1963年の夏にリリースしたシングルです。

レイ・ピーターソンは1939年テキサス州デントン生まれ。本名の Ray A. Peterson でポップシンガー(
ロカビリー系)として活動。1960年に「 TELL LAURA I LOVE HER(ローラに好きだと言ってくれ)」「 CORRINA, CORRINA(コリナ・コリナ)」のヒットを飛ばしたことで知られています。私は全く知りませんでしたが…。


参考までに、こちらは「 コリナ・コリナ 」シングル盤のジャケット写真。1960年のシングルだから21歳くらい? なかなかの男前ですな。

んで、今回紹介するシングルのA面:A.「 アイ・フォーゴット・ホワット・イット・ワズ・ライク 」がバカラック&デイヴィッドの書き下ろし曲でございます。

ミディアムテンポ(♩≒97)、シャッフルのリズム、ほのぼのした曲調…。細かくビブラートのかかった彼の歌声はジーン・ピットニーを彷彿させます。キーはCメジャー。ごくオーソドックスなコード展開。8小節単位の構成。途中でGメジャーに転調した後Cメジャーに戻り、半音上がってC#メジャーになるという転調もオーソドックス。それほど魅力的でもヘンテコでもないごく普通のメロディライン。レーベル面を見るとバカラックがアレンジしてるようですが、アレンジ面の印象も薄いなぁ。要はバカラック味があまりしない曲なんですよね。印象に残らない。職業作曲家として依頼に沿って仕事しただけなのかもしれませんが…。

曲名を直訳すると “私はそれがどんな感じだったか忘れました”。…実のところ、私はこの曲がどんなだったかすぐ忘れてしまうんですょ💦。曲名にそこまで深い意味があったとはねぇ〜(そんなワケねぇだろっ)。

今では配信されてますし、YouTube (非公式)でも聴けます。わざわざアナログシングル盤を求めるほどではないですょ。

尚、今回記事を書くにあたりDiscogsで検索したところ、英国の男性シンガー Karl Denver(1964年)、オーストラリアの男性シンガー Johnny O'keefe(1964年)、英国の男性シンガー Frank Ifield(1966年)のカヴァーがあることを知りました。iTunesやYouTubeにあれば聴こうかなと思ったのですが、いずれも見つからず…。もし聴いたことある方いらっしゃいましたら感想をお聞かせくださいまし。


【データ】

「 I FORGOT WHAT IT WAS LIKE/BE MY GIRL
Ray Peterson




7"Single:1963年夏リリース
レーベル:Dunes Records (US) …  1960年にレイ・ピーターソンが作った自分のレーベル
番号:45-DU2027

A.「 I FORGOT WHAT IT WAS LIKE 」
  Written by B. Bacharach & H. David
  A Lieber & Stoller Production
  Arragned by Burt Bacharach

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年1月17日 (日)

Magic Moments The Definitive Burt Bacharach Collection/V.A. (2008年)

ライノ/ユニヴァーサル・ミュージック・グループ・インターナショナルから2008年にリリースされた英国編集のバカラック物コンピ集です。75曲入りCD3枚組!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


Disc 1
1. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  〜 Jackie DeShannon 〜  F

2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU 〜 Carpenters 〜 F
3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD 〜 B. J. Thomas 〜 M
4. REACH OUT FOR ME  〜 Nancy Wilson 〜  F
5. BABY IT'S YOU  〜 The Shirelles 〜  F
6. WALK ON BY  〜 Dionne Warwick 〜  F
7. THE LOOK OF LOVE  〜 Dusty Springfield 〜  F
8. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  〜 Tommy Hunt 〜  M
9. SEND ME NO FLOWERS  〜 Doris Day 〜  F
10. GOTTA GET A GIRL  〜 Frankie Avalon 〜  M
11. WIVES AND LOVERS  〜 Jack Jones 〜  M
12. ALFIE  〜 Cilla Black 〜  F
13. THIS GUY’S IN LOVE WITH YOU  〜 Herb Alpert 〜  M
14. PROMISE HER ANYTHING  〜 Tom Jones 〜  M
15. (IT'S) WONDERFUL TO BE YOUNG  〜 Cliff Richard 〜  M
16. CRAZY TIMES  〜 Gene Vincent 〜  M
17. I LOOKED FOR YOU  〜 Charlie Gracie 〜  M
18. THE BLOB  〜 The Five Blobs 〜  M
19. SO LONG JOHNNY  〜 Jackie DeShannon 〜  F
20. A HOUSE IS NOT A HOME  〜 Shirley Bassey 〜  F
21. NIKKI  〜 Burt Bacharach 〜
22. DON'T YOU BELIEVE IT  〜 Andy Williams 〜  M
23. (THERE GOES) THE FORGOTTEN MAN  〜 Jimmy Radcliffe 〜  M
24. TRAINS AND BOATS AND PLANES  〜 Billy J. Kramer and The Dakotas 〜  M
25. CASINO ROYALE  〜 Herb Alpert & The Tijuana Brass 〜
26. ANYONE WHO HAD A HEART  〜 Dionne Warwick 〜  F
27. THE WINDOWS OF THE WORLD  〜 Bobbie Gentry 〜  F
28. ONCE IN A BLUE MOON  〜 Nat 'King' Cole 〜

Disc 2
1. MAGIC MOMENTS  〜 Perry Como 〜  M
2. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  〜 Dionne Warwick 〜  F
3. I SAY A LITTLE PRAYER  〜 Aretha Franklin 〜  F
4. WISHIN' AND HOPIN’  〜 Dusty Springfield 〜  F
5. MAKE IT EASY ON YOURSELF  〜 The Walker Brothers 〜  M
6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  〜 Sandie Shaw 〜  F
7. DON'T GO BREAKING MY HEART  〜 Burt Bacharach 〜  F
8. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  〜 Dionne Warwick 〜  F
9. PLEASE STAY  〜 The Drifters 〜  M
10. TOWER OF STRENGTH  〜 Gene McDaniels 〜  M
11. THE STORY OF MY LIFE  〜 Marty Robbins 〜  M
12. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  〜 Tom Jones 〜  M
13. THAT'S NOT THE ANSWER  〜 Vi Velasco 〜  F
14. DON'T MAKE ME OVER  〜 Dionne Warwick 〜  F
15. ANY DAY NOW  〜 Chuck Jackson 〜  M
16. (THE MAN WHO SHOT) LIBERTY VALANCE  〜 Gene Pitney 〜  M
17. MEXICAN DIVORCE  〜 The Drifters 〜  M
18. THIRD WINDOW FROM THE RIGHT  〜 Dean Barlow 〜  M
19. RAIN FROM THE SKIES  〜 Adam Wade 〜  M
20. HOW ABOUT  〜 Della Reese 〜  F
21. KEEP AWAY FROM OTHER GIRLS  〜 Helen Shapiro 〜  F
22. MADE IN PARIS  〜 Trini Lopez 〜  M
23. IT'S LOVE THAT REALLY COUNTS (IN THE LONG RUN)  〜 The Merseybeats 〜  M
24. MY LITTLE RED BOOK  〜 Manfred Mann 〜  M
25. THIS EMPTY PLACE  〜 The Searchers 〜  M
26. PACIFIC COAST HIGHWAY  〜 Burt Bacharach 〜

Disc3
1. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  〜 Dionne & Friends 〜  FM
2. GOD GIVE ME STRENGTH  〜 Burt Bacharach & Elvis Costello 〜  M
3. WHAT'S IN GOODBYE  〜 Will Young 〜  M
4. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  〜 Christopher Cross 〜  M
5. HEARTLIGHT  〜 Neil Diamond 〜  M
6. GO ASK SHAKESPEARE  〜 Burt Bacharach & Rufus Wainwright 〜  M
7. WHO ARE THESE PEOPLE?  〜 Burt Bacharach & Elvis Costello 〜  M
8. SOUTH AMERICAN GETAWAY  〜 Burt Bacharach 〜  FM
9. EVERYBODY'S OUT OF TOWN  〜 B. J. Thomas 〜  M
10. ODDS AND ENDS  〜 Dionne Warwick 〜  F
11. THIRTY MILES OF RAILROAD TRACK  〜 The Hammond Brothers 〜  M
12. LONG AFTER TONIGHT IS ALL OVER  〜 Irma Thomas 〜  F
13. LET THE MUSIC PLAY  〜 The Drifters 〜  M
14. PAPER MACHE  〜 Dionne Warwick 〜  F
15. ONE LESS BELL TO ANSWER  〜 Keely Smith 〜  F
16. LONDON LIFE  〜 Anita Harris 〜  F
17. BLUE GUITAR  〜 Richard Chamberlain 〜  M
18. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE  〜 The Drifters 〜  M
19. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  〜 The Stylistics 〜  M
20. JUST FRIENDS  〜 Carole Bayer Sager 〜  F
21. HASBROOK HEIGHTS  〜 Burt Bacharach 〜  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記

収録時間(Disc 1/2/3) 約79分/約70分/約74分


ライノ/ユニヴァーサル・ミュージック・グループ・インターナショナルから2008年にリリースされた英国編集のバカラック物コンピ集です。75曲入りCD3枚組!

ライノから出たCD3枚組コンピと言えば1998年の『 The Look of Love - The Burt Bacharach Collection 』が有名ですが、これは全くの別物でございます。(被ってる曲も多々ありますけど)

収録曲をいつものようにリスト化してみました。ディスクごとに纏めています。




オリジナル・アーティストの(表の◆印:57曲)比率は76%と高くUS/UKチャート入りした曲も多いのですが、一方で、レアな曲やレアなカヴァー(そのうち、前回紹介した英Ace盤とのダブり曲が10曲程度あり)、近年の作品(バカラックが2005年にリリースしたアルバム『 AT THIS TIME 』収録曲など)もコンパイルされています。

他のバカラック物コンピ集に入ってないのは3曲(表左のマーク)だけと少ないのですが、いずれも個人的にはレコメンド。

🔸ボビー・ジェントリーのDisc1-27.「 世界の窓と窓(世界の窓に光を)」:アコギとウッドベースだけをバックに凛としたボビーの歌唱が沁みます。リストの脚注にも書きましたが、1969年に録音されたもののリリースされず2007年にベスト盤のボーナストラックとして初めて世に出たんだとか。とにかく素晴らしいカヴァーです。
🔸キーリー・スミスのDisc3-15.「 悲しみは鐘の音とともに 」:ヒットしたフィフス・ディメンション版(♩≒66)より幾分速い♩≒74のテンポで、ジャズオーケストラをバックにキーリーは細かいビブラートをかけて歌っています。この曲のオリジナルなのにこのコンピ集を入手するまで聴いたことなくて…。地味なバージョンではあるんですが、初めて聴けた喜びと鐘の音みたいなイントロが新鮮だったのでレコメンド入り。
🔸アニタ・ハリスのDisc3-16.「 ロンドン・ライフ 」:この曲もこのコンピ集で初めて聴いたのですが、とにかくウキウキする曲なんですよね。その後、シングル盤を入手して拙ブログでも取り上げました。よかったらどうぞ → こちら

ブックレットに各曲解説は無くてちょっとショボいですが、エルヴィス・コステロがライナーノーツ(2ページ分)を書いてる点はアピールポイントかと。前半は、バカラック曲に対する印象や子供の頃の実体験等を交えながらバカラックのキャリアを紹介。そして後半は、バカラックと共作した時のエピソードを綴っています。以下引用しますね。機械訳(少し直しましたが)ですので、悪しからず。

─ 1995年から1998年の間に、バート・バカラックと私は12曲を書き、アルバム『 Painted From Memory 』になりました。多くの人は私が作詞家としてのみ行動することを期待していましたが、バートは私たちの音楽コラボレーションのほとんどを共同作曲することに同意してくれて、私の予想をはるかに超えました。彼はまだ新しい挑戦に興味を持っているアーティストです。  ─
─ バートが作曲する様を見て、時にはピアノの椅子に並んで座り、1つの16分音符の配置またはベース音の調和的な選択を考慮したことは
、無意識のマスタークラスであり私の音楽人生におけるの最大の喜びの1つでした。  ─
─ 依然として彼は、午前3時まで起きてメロディーの小さな修正を1つ考えるソングライターであり、フリューゲルホルン奏者に微妙なフレージングのニュアンスを伝えるアレンジャーなのです。これらは五線譜に書かれた音を超えています。  ─
─ バートがアルバム『 At This Time 』で自ら歌詞を書こうとした時、彼は私に「 WHO ARE THESE PEOPLE? 」という曲で世界の方向性に対する特に厳しい批評を歌うよう打診してきました。私はバートにどんな歌なのか教えてくれるようにお願いしました。彼は「 物事は本当に変わる必要があります。さもないと、すべてがめちゃくちゃになります 」と言いました。私が「 どんな歌詞ですか? 」と訊くと、彼は「 それが歌詞なんだ 」と答えました。  ─
─ 世界が今必要としているのは愛ばかりだけでなく、バート・バカラックの曲なのです。おなじみで深く愛され、その上まだ発見されるのを待っている多くの宝石があるのだから。  ─
─ 彼の最高の曲は? それは彼が書く次の曲かもしれません。 エルヴィス・コステロ 2008年9月17日  P.S. Burt and I just wrote two more… ─

コステロのバカラック愛の大きさ・深さを改めて感じました…。

そうそう、このブックレットにはバカラックのコメントも載ってました。短いので全文引用します。
─ 私の音楽を次のレベルに引き上げてくれたすべてのアーティストにとても感謝しています。素晴らしい曲を作れたとしても、アーティストがいなければ本当の意味で作ったとは言えないのです。 バート・バカラック ─ (私の超意訳で)


ここからはオマケ。MP3でしか所有してない曲をご紹介!
ボビー・ジェントリーは、「 世界の窓と窓(世界の窓に光を)」以外にもリリースされなかったバカラック・カヴァーがありました。

2018年に出たCD8枚組の『 The Girl From Chickasaw County (The Complete Capitol Masters) 』で初めて世に出た「 THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU(ディス・ガール)」(3:12) がソレです。バックはアコギとウッドベースだけなので、「 世界と〜 」と同じく1969年に録音したされたものでしょう。粋でおしゃれな好カヴァーと思います。


【データ】
『 Magic Moments The Definitive Burt Bacharach Collection 』
V.A.

CD:2018年11月25日リリース
レーベル:Rhino / Universal Music Group International B.V.
番号:2564 69335 9

Compilation produced by Matthias Bauss for Spark Marketing Entertainment Ltd.
This compilation
(P)2008 Warner Music UK Ltd / Universal Music Group International B.V.
(C)2008 Warner Music UK Ltd / Universal Music Group International B.V.

2021年1月10日 (日)

Always Something There - A Burt Bacharach Collectors' Anthology 1952-1969/V.A. (2008年)

1950〜60年代のレアな作品ばかりを集めた英ACE編集のバカラック物コンピ集です。全26曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  〜 Lou Johnson 〜  M
2. SO LONG JOHNNY  〜 Jackie DeShannon 〜  F
3. THIRD WINDOW FROM THE RIGHT  〜 Dean Barlow 〜  M
4. IF I NEVER GET TO LOVE YOU  〜 Gene Pitney 〜  M
5. MADE IN PARIS  〜 Trini Lopez 〜  M
6. I WAKE UP CRYING  〜 Del Shannon 〜  M
7. RAIN FROM THE SKIES  〜 Adam Wade 〜  M
8. THAT'S THE WAY I'LL COME TO YOU  〜 Bobby Vee 〜  M
9. MOVE IT ON THE BACKBEAT  〜 Burt and the Backbeats 〜  F
10. YOU'RE TELLING OUR SECRETS  〜 Dee Clark 〜  M
11. THIRTY MILES OF RAILROAD TRACK  〜 The Hammond Brothers 〜  M
12. THE STORY OF MY LIFE  〜 Big Al Downing 〜  M
13. THREE FRIENDS (TWO LOVERS)  〜 The Turbans 〜  M
14. TRUE LOVE NEVER RUNS SMOOTH  〜 Don and Juan 〜  M
15. THEY DON'T GIVE MEDALS (TO YESTERDAY'S HEROES)  〜 Ben E. King 〜  M
16. MORE TIME TO BE WITH YOU  〜 Brook Benton 〜  M
17. DREAM SWEET DREAMER  〜 Dionne Warwick 〜  F
18. THAT'S NOT THE ANWSER  〜 Vi Velasco 〜  F
19. I LOOKED FOR YOU  〜 Charlie Gracie 〜  M
20. SEND ME NO FLOWERS  〜 Doris Day 〜  F
21. HOW ABOUT  〜 Della Reese 〜  F
22. THE LAST TIME I SAW MY HEART  〜 Marty Robbins 〜  M
23. CRAZY TIMES  〜 Gene Vincent 〜  M
24. GOTTA GET A GIRL  〜 Frankie Avalon 〜  M
25. WILD HONEY  〜 Cathy Carr 〜  F
26. ONCE IN A BLUE MOON  〜 Nat 'King' Cole 〜

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記


収録時間約65分


1950〜60年代のレアな作品ばかりを集めた英ACE編集のバカラック物コンピ集です。

─ ナット・キング・コール、ディオンヌ・ワーウィック、ドリス・デイ、ベン・E・キングほか、米国を代表する数多の著名アーティストたちに楽曲を提供、いくつもの名曲を世に送り出してきた作曲家、バート・バカラックの功績を一枚に纏め上げた決定盤。
様々なアーティストたちにカヴァーされ続けてきた愛すべき名曲、チャートを賑わせたヒット曲やその裏の知られざる逸話、さらにはマニア新発見の新発見も織り交ぜながら紡ぎ上げられるバカラック・ストーリー全26話。すべてのポップ・ミュージック・ファンに試してもらいたい珠玉のコンピレーションが遂に登場! ─ 


私が所有するCDは輸入盤に日本語の帯が付いた所謂 <国内仕様輸入盤>。上記はその帯に書かれていたPR文を引用したものです。


この帯、画像の部分以外に2枚ぶん折り畳まれているんですが、それを開くと計5ページに各曲解説の日本語訳がびっしり印刷されています。収録曲は一般的に知られてない曲目が殆どなので(帯のPR文では触れてませんが💦)、これは嬉しいです。


全26曲中、有名曲( = カヴァー定番曲)と言えるのはT-1.「 愛の思い出(愛のウェイト・リフティング)」のみ。あと、T-12.「 ストーリー・オブ・マイ・ライフ 」がそこそこ知られてる曲目でしょうか。残り24曲はマニアックな曲目ばかり。


オリジナル・バージョンが20曲(リストの曲名の◆マーク)も入ってますから、コンパイルする上での方針はオリジナル重視と言えます。それに、他のバカラック物コンピ集では見かけず本コンピ集にしか入ってないバージョンがオリジナル/カヴァー合わせて9曲(リスト左側マーク)もあります。貴重な音源が多く、コレクターにはありがたいですねー。

個々のバージョンについての特記事項はリストの脚注をご覧ください。以降、個人的なレコメンド曲を紹介します。

🔸ジャッキー・デシャノンのT-2.「 ソー・ロング・ジョニー 」:ヘンテコリンな曲としてバカラック愛好家の間では有名ですが、本コンピ集の中でもやっぱり目立ってます(笑) 参考記事 → バカラック物コンピ集『 Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.3 』、ジャッキー・デシャノンのアルバム『 Are You Ready For This? 』
🔸ドン&ファンのT-14.「 恋は異なもの(苦しい恋こそ真の恋)」:この曲のオリジナルなんですが、私は本コンピ集で初めて聴きました。男性デュオによる全編ハモリ曲だったとは! ジーン・ピットニーやペトゥラ・クラークのカヴァーはサビの一部しかハモってないですからねー。
🔸ディオンヌ・ワーウィックのT-17.「 ドリーム・スウィート・ドリーマー 」:ディオンヌが子供を授かった時にバカラックに依頼し、出来上がったのがこの曲だった…ということを本コンピ集で初めて知りました。 参考記事 → ディオンヌ・ワーウィックのアルバム『 PROMISES, PROMISES 』
🔸ヴァイ・ヴェラスコのT-18.「 ザッツ・ノット・ジ・アンサー 」:オリジナルはディオンヌで元々軽快で弾むような曲なんですが、これは更にウキウキする好カヴァーです。 参考記事 → ヴァイ・ヴェラスコのアルバム『 The Vi Velasco Album 』

繰り返しになりますが、貴重な音源が多くコレクターにはありがたいコンピ集であることは間違いありません。でも、本コンピ集の約半数を占める1962年以前の曲には(バカラックらしさという点で)魅力が少ないということも改めて認識しました…。


【データ】
『 Always Something There - A Burt Bacharach Collectors' Anthology 1952-1969 』
V.A.

CD:2008年7月1日リリース (所有CDは、同年8月22日リリースの国内仕様輸入盤)
レーベル:Ace Records (UK) (所有CDは、P-VINE Records (JP))
番号:CDCHD 1195 (所有CDは、PCD-17217)

Compiled by Mick Patrick abd Tony Rounce
Notes by Mick Patrick
This compilation (P)2008 Ace Records Ltd (c)2008 Ace Records Ltd
Made in the EU

↓ 左はAce(UK)盤、右は国内仕様輸入盤

2021年1月 3日 (日)

A Happy Afternoon/Dieter Reith (1966年)

ドイツのジャズ・ピアニスト、ディーター・ライスがトリオ編成で1966年にリリースしたアルバムです。バカラック作品を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


全8トラック中、バカラック作品は1トラック

5. WIVES AND LOVERS (4:26)


ドイツのジャズ・ピアニスト、ディーター・ライスがトリオ編成で1966年にリリースしたアルバムです。

ディーター・ライスは1938年ドイツのマインツ生まれ(2020年没、享年82歳)。誰それ?って思ったのですが、ライナーノーツの解説によると、 ─ ディーター・ライス、なかなか聞かない名前である。リーダー作もアルバム単位では3枚程である。しかし、ヨーロッパ・ジャズのファン及びピアノ・ファンにとってはある程度のレベルに達すると必ず一度は出てくる名前 ─ なんだそう。そして本作は “時計のライス” と称される名盤らしいです。

取り上げたバカラック作品はT-5.「 素晴らしき恋人たち 」。元来ジャズワルツのこの曲、特にジャズ系のアーティストは速いテンポで演奏する例が多いのですが、ライスのトリオはその中でもかなり高速な部類になります。♩≒226のテンポで、アドリブも含めてノリの良いピアノに加えてハードなドラムス&ベース…ファンキーな演奏です。個人的に印象に残ったのは特にファンキーでもないイントロでのピアノの “ジャラ〜〜ン” なんですけどね。

全体的には賑やかで気軽に聴けるピアノトリオのアルバムではないかと。全8曲中3曲(T-1,3,8)がライスの自作曲なんですが、これがなかなか良曲だったことを付け加えておきます。


ここからはオマケ。所有しているMP3の中からライスの演奏(♩≒226)より更に速い「 素晴らしき恋人たち 」をご紹介。

まずはヴォーカルもの。米国女性シンガー/フルート奏者の Kaylene Peoples(カイリーン・ピープルズ)が2005年のアルバム『 All Jazzed Up! 』でカヴァーした「 素晴らしい恋人たち 」(4:49) のテンポは♩≒236。ピアノトリオをバックに、前半と後半で歌って中間の約1分40秒間でフルートを吹いてます。パワフルな歌唱ではフェイクやスキャットを入れたり、フルートでもアドリブをビシバシ入れて、まー圧倒されます。レコメンドです。

続いてインストもの。米国男性ジャズトランペッターのサド・ジョーンズとバリトンサックス奏者のペッパー・アダムスによる Thad Jones / Pepper Adams Quintet が1966年にリリースしたアルバム『 Mean What You Say 』で「 素晴らしい恋人たち 」(4:53) を取り上げてます。そのテンポは♩≒228。最初フリューゲルホーンとバリトンサックスが一緒にメロディを吹き、そのあとフリューゲルホーン→バリトンサックス→ピアノの順にアドリブしています。
以下は参考情報:他にも、バカラック・トリビュート盤『 JAZZ BACHARACH 』に収録されている SOIL & "PIMP" SESSIONS の「 素晴らしい恋人たち 」も♩≒236と高速です。やたら騒々しくて私の好みじゃないのですが…。アルバムは既に紹介済み → こちら


【データ】
『 A Happy Afternoon 』
Dieter Reith

LP:1966年リリース (所有CDは、2006年リイシューの日本盤。解説は瀧口大由記氏)
レーベル:SABA (Germany) (所有CDは、MPS Records / Universal Music K.K.)
番号:SB 15 127 ST (所有CDは、UCCU-5521)

Dieter Reith - Piano
Charly Antolini - Drums
Peter Witte - Bass

2020年12月29日 (火)

THE GREAT DIVIDE/Burt Bacharach (2020年)

バカラック爺が今年(2020年)10月に自身名義でリリースしたシングルです。(配信のみ/CD無し)

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. THE GREAT DIVIDE (4:10)


バカラック爺が今年(2020年)10月に自身名義でリリースしたシングル。配信のみです。

公式MVもほぼ同時に公開されました。ここでは歌詞字幕入り版(ただし字幕はサビ部分だけ)を貼り付けておきます。


ヴォーカルは、バカラック・シンガーズのひとりであるジョン・パガーノ。グレッグ・フィリンゲインズ(ピアノ)、ヴィニー・カリウタ(ドラムス)、ポール・ジャクソン・ジュニア(ギター)、フレディ・ワシントン(ベース)、ウェイン・バージェロン(フリューゲルホーン)といった超一流のミュージシャンに、レコーディングエンジニアは大御所アル・シュミット。バカラック爺は演奏に参加していませんが、なんとも豪華な面々です。

作曲はバカラック爺、作詞はメロディ・フェデラー(参考:前回記事)。この曲には、米国内の状況を憂いたバカラック爺のメッセージが込められています。サビ部分の歌詞もそうですし、シングルのアートワーク(赤のエリアと青のエリアが曲のタイトルで分断されている)もナルホド…です。

実際、バカラック爺はさまざまな政治イベントでこの曲をリモート演奏したそうです。米大統領選も大詰め…という時期に行われたインタビュー記事にそう書いてありました。→   インタビュー記事はこちら(Yahoo!entertainment 2020/10/24付け)

バカラック爺がダニエル・タシアンとコラボしたEP『 BLUE UMBRELLA 』(配信:2020/7/31、CD:2020/10/28)とは違ってこの曲は日本ではあまり話題になっていませんが、バカラック爺にとっては大きな意味を持ってるようです。


【データ】
「 THE GREAT DIVIDE 」
Burt Bacharach

MP3:2020年10月9日リリース
レーベル:Burt Bacharach
番号:─

Music:Burt Bacharach
Lyrics:Melody Federer
Musicians
  Vocals:John Pagano
  Piano:Greg Phillinganes
  Drums:Vinnie Colaiuta
  Guitar:Paul Jackson Jr.
  Bass:Freddie Washington
  Flugelhorn:Wayne Bergeron
Engineer:Al Schmidt
Recorded @ Capitol Studios, Hollywood

2020年12月20日 (日)

THE SUN ALSO RISES/Melody Federer & Burt Bacharach (2020年)

米国の女性シンガーソングライター、メロディ・フェデラーがバカラック爺と共作したシングル2曲目です!(配信のみ/CD無し)

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. THE SUN ALSO RISES (3:34)


米国の女性シンガーソングライター、メロディ・フェデラーがバカラック爺と共作したシングル2曲目 です! 10日ほど前(12/11)にリリースされたばかり!

2人名義の最初のシングルは今年初め(2020/1/24)にリリースした「 BRIDGES 」でした(メロディ・フェデラーについてはそちらを参照ください)。その「 BRIDGES 」はミディアムテンポでポップな曲調でしたが、対照的に「 THE SUN ALSO RISES 」はスローテンポで静かな曲調。8小節にこだわらない小節数やテンションコードの多用など、作曲面はバカラックらしい匂いがぷんぷん。演奏は、バカラック爺によるピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、ベースだけというシンプルな編成。憂いを帯びつつも熱さを内に秘めたメロディ・フェデラーの歌唱は、胸に染みるものがあります。

この曲は Conservasion International のキャンペーンソングのようで、映像作家ロジャー・フィッシュマンが製作した動画を付けてYouTubeにアップされています。


動画の説明欄にバカラック爺のコメントが載っていました。 ─ 急激な気候変動により今起きている或いは将来目にするであろう影響…、それらを良い方向へ変えていくために私達は何かをしなければいけません。 ─

そうか! だから曲名が「 陽はまた昇る 」なのか…。

※ 備考: この曲の2ヶ月前(2020/10/9)にバカラックが配信リリース&動画アップした新曲「 THE GREAT DIVIDE 」も実はメロディ・フェデラーとバカラックの共作曲。私はそれをメロディ・フェデラーのツイートで知りました。でも、バカラック爺の単独名義(ヴォーカルもジョン・パガーノだし)なので、メロディ・フェデラーとバカラック爺が共作したシングルにはカウントしませんでした。悪しからず。




【データ】
「 THE SUN ALSO RISES 」
Melody Federer & Burt Bacharach

MP3:2020年12月11日リリース
レーベル:Melody Federer
番号:─

Written and Performed by Burt Bacharach & Melody Federer
Mixed by Jeff Gartenbaum
Mastered by Nathan Dantzler
Vocals - Melody Federer
Piano - Burt Bacharach
Violin - Eliza James
Viola - Jayna Chou
Bass - David Coy

2020年12月13日 (日)

HELP EVER HURT NEVER [初回盤]/藤井 風(2020年)

藤井 風のファーストアルバム。初回盤にバカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


紙ケースの表面/裏面/側面/底面

全22トラック中、バカラック作品は2トラック

<DISC2:HELP EVER HURT COVER>
1. CLOSE TO YOU (3:38)
4. ALFIE (2:33)


今年(2020年)5月にリリースされた藤井 風のファーストアルバム [初回盤] です。

彼は1997年岡山県生まれの23歳。 ─ 昨年末、配信限定で「何なんw」「もうええわ」がリリースされると、アーバンなサウンドに乗った岡山弁の歌詞(一人称が「ワシ」)が世間の度肝を抜き、サブスク上位へランクイン、プレイリスターからの賞賛など、たちまちシーンのど真ん中へ浮上した藤井 風。同曲のMusic VideoがYouTubeへ公開されると、耳の早いリスナーだけでなく、様々なジャンルのクリエイター陣も彼の才能に気づき始め、話題となった。作詞作曲は全曲「藤井 風」。サウンドプロデュースには「Tokyo Recordings」の主宰として数々のアーティストをプロデュースする「Yaffle」氏を迎え、ファーストアルバムにして2020年を代表する名盤が誕生した。◆初回盤はDisc2に“HELP EVER HURT COVER”を11曲収録した2ディスク仕様に加え、このアルバムのために撮り下した特製フォトブック(全52P)が付属する。 ─ (Universal Music Japan サイトより)


ファーストアルバムには通常盤と初回盤がありまして。
通常盤と共通するDISC1(11曲)は全て自作曲。また聴きたくなる曲ばかりで素晴らしいんですょ、ホントに。
初回盤のみのDISC2(11曲)は全て自身のピアノと歌による洋楽カヴァー。バカラック・カヴァー2曲が入ってるのはコレ。

DISC2-1.「 遙かなる影 」はカーペンターズ版のカヴァー。イントロが無いのと間奏でちょっとアドリブを加えてる以外はカーペンターズをリスペクトしたピアノ演奏。一方、若干ハスキー&控えめながらソウルフルな歌声は彼独特。男の色気ってゆーんですか?それを感じます。まだ若いのにすげー! 彼はこの曲のピアノ弾き語りバージョンを2018年7月にYouTubeにアップしています。基本コンセプト&キーはその時と変わりませんが、本アルバムではアウトロで多重録音したコーラスを聴けるのが嬉しいです。

DISC2-4.「 アルフィー 」はシンプル且つオーソドックスなピアノ弾き語りのカヴァー。パフォーマンス自体は素晴らしいものです。でもね、人の心に染み入るレベルか…というとソコ迄は行ってない感じ。多分聴く方の期待値というかハードルがめっちゃ高くなるんですよ、彼の場合は…。上から目線で失礼しました。

とはいえ、DISC2に入ってる他の洋楽カヴァーや10年前からYouTubeにアップされている動画(洋楽/邦楽のピアノ弾き語りカヴァー、クラシックのピアノ演奏、「 ムーン・リバー 」のビッグバンド風エレクトーン演奏など)を聴いて感じるのは、彼の音楽的裾野の広大さとセンスの良さ。自作曲・カヴァー共に今後も要注目です!


【データ】
『 HELP EVER HURT NEVER [初回盤] 』
藤井 風

CD:2020年5月20日リリース
レーベル:HEHN RECORDS / UNIVERSAL SIGMA
番号:UMCK-7064/5

<DISC1>
Sound Produced by Yaffle
All songs Written by 藤井 風(Fujii Kaze)
English Translation by 藤井 風(Fujii Kaze)
Musicians は割愛

<DISC2:HELP EVER HURT COVER>
Vocals, Piano:藤井 風(Fujii Kaze)

2020年12月 6日 (日)

WHAT THE WORLD NEEDS NOW (IS LOVE)/Smokey Robinson (2020年)

スモーキー・ロビンソンが若いアーティストと共に「 世界は愛を求めている 」をカヴァー。数日前に配信&サブスクでリリース!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. WHAT THE WORL NEEDS NOW (IS LOVE) (2:52)


スモーキー・ロビンソンがレオナ・ルイス、トリー・ケリー、サム・フィッシャーと共に「 世界は愛を求めている 」をカヴァー。数日前(2020年12月3日)に配信&サブスクでリリースされました。

スモーキー・ロビンソン(1940年生まれの80歳)は説明不要ですね。他の3人は、レオナ・ルイス(Leona Lewis 英国の歌手、1985年生まれ)、トリー・ケリー(Tori Kelly 米国のSSW、1992年生まれ)、サム・フィッシャー(Sam Fischer 豪州のSSW、1991年生まれ)といった若いアーティスト。トリー・ケリーがアーティスト名に入ってないのはなんで?と思いますが、何か事情があるんでしょうねぇ…。


このカヴァーは米国赤十字社のためのチャリティーソング。赤十字公式がYouTubeにUPしているMVは、リモートで歌う4人の姿と自然災害での赤十字の活動を映し出しています。


バカラック爺もツイッターやインスタで反応を示してましたね。


「 世界は愛を求めている 」は、米国では銃乱射事件など大きな事件が起きるたびに繰り返しカヴァーされてきた曲。また、クリスマス曲ではないけれど昨今のクリスマス・アルバムによく取り上げられる曲でもあります。
COVID-19のパンデミック、ハリケーン、カリフォルニアやオレゴンの山火事など例年以上の災厄に見舞われた2020年の米国…。ホリデーシーズンの今、この曲は例年以上に心に響くかもしれませんね。



【データ】
『 WHAT THE WORLD NEEDS NOW (IS LOVE) 』
Smokey Robinson (feat. Leona Lewis & Sam Fischer)

MP3:2020年12月3日リリース
レーベル:Smokey Robinson
番号: -

Vocal - Smokey Robinson, Leona Lewis, Tori Kelly & Sam Fischer
Producer その他詳細不明

2020年11月29日 (日)

After All/Paul Anka (1995年)

ポール・アンカが1995年にリリースしたアルバムです。バカラックと共作した新曲を2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


全11トラック中、バカラック作品は2トラック

10. RAINBOW (3:08)
11. AFTER ALL (3:12)


ポール・アンカが1995年にリリースしたアルバムです。

ポール・アンカは1941年カナダのオタワ生まれ。1957年に自作曲「 ダイアナ 」が全米チャート1位に。ソングライターとしてもトムジョーンズに「 シーズ・ア・レディ 」、英語詞を書いてフランク・シナトラに「 マイ・ウェイ 」を提供。1939年生まれのニール・セダカや1934年生まれのデル・シャノンと共に、ポップス草創期を代表するシンガーソングライターなんですと。

本作『 After All 』はドイツポリドールからのリリースで、全11曲を収録。クレジットによれば、60年代ヒットソングのカヴァーや自作曲のリメイクの8曲(T-1〜8.)は1994年LAスタジオで録音と記載されています。でも、ポール・アンカ公式サイトやWikipediaのスタジオ録音アルバムのリストに本作は見当たりません。ん? Discogsには載ってましたがコンピ盤に分類されてました。んん? なんかもやもやするけど、まぁいいや(笑)

↑ ジャケット開けるとクレジットが載ってます

んで、T-10.「 RAINBOW 」とT-11.「 AFTER ALL 」がバカラックと共作した新曲でございます。これら2曲はDiscogsを検索しても編集元のアルバムやシングルの類いは見つからなかったので、本作が初出なのは間違いないところかと。

2人の共作は1979年のサントラ
『 TOGETHER? 』以来約16年ぶりですが、その時はポール・アンカは作詞のみで歌ってません(バックシンガーは務めましたが)。
一方、ポール・アンカは過去にバカラックの曲をオリジナルシンガーとして歌ったことがあります。1964年1月にリリースしたシングル「 FROM ROCKING HORSE TO ROCKING CHAIR 」がソレなのですが、作詞はハル・デイヴィッドでした。
なので、バカラックと共作した曲をポール・アンカ自身が歌うのは本作が初めてのケースなんですね。

T-10.「 RAINBOW 」は4拍子曲。テンポは♩≒86と速いわけではないけれど、16ビートのリズムが効いて軽快な印象。イントロでトランペットが吹くシンコペーションのメロディ、2拍子や3拍子や5拍子といった変拍子の多用、Aメロの最初4小節のコード進行F-Em-Bm-F(Ⅰ-Ⅶm-Ⅳm-Ⅰ)に見られる長調と短調をさらっと行き来する転調?…。バカラック色かなり強めの楽曲です。ポール・アンカとデュエットしてる女性シンガーは、噂によるとDenise Maynelli DeCaroという方だそうです。

T-11.「 AFTER ALL 」はミディアムテンポ(♩≒84)のバラード曲。AメロとBメロとサビの区別がつかないメロディライン、「 RAINBOW 」ほどではないけれどやっぱり挟んでくる変拍子と不規則な小節数。こちらもバカラックの曲だとはっきりわかります。この曲で一番盛り上がるのが2コーラス目と3コーラス目の間の間奏ってゆーアレンジもね〜…、バカラックらしいといえばらしいです^^;。

ポール・アンカは大袈裟な表現をすることなく曲に合わせた余裕の歌唱で流石と思いますが、曲のヘンテコさに耳がいってしまい歌そのものは印象が薄いんですよね。いや、ポール・アンカは悪くないですよ。バカラックがやり過ぎただけです(苦笑)



【データ】
『 After All 』
Paul Anka

CD:1995年4月リリース
レーベル:Polydor (Germany)
番号:827 430-2

All the Songs:
Produced by the Crew
Coproducer:Burt Bacharach
Production Co-ordinator:Gloria Jewett
Produced and mixed at B&J Studion, Los Angels, California
Produced and mixed by John Arrias, Assistent:Javier Bennassar
T-10.「 RAINBOW 」, T-11.「 AFTER ALL 」
  (Paul Anka / Burt Bacharach)
  Arranged and Produced by Paul Anka and Burt Bacharach

All songs were recorded in 1994(c)
Except for "MY WAY", "RAINBOW" and "AFTER ALL"

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年11月22日 (日)

Love at the Movies/Jane McDonald (2001年)

英国の女性歌手/タレントのジェーン・マクドナルドが2001年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


全14トラック中、バカラック作品は2トラック

8. I SAY A LITTLE PRAYER (From 'MY BEST FRIEND'S WEDDING') (3:43)
10. ALFIE (From 'ALFIE') (3:07)


英国の女性歌手/タレントのジェーン・マクドナルドが2001年にリリースしたアルバムです。

1963年4月、英国はイングランドのヨークシャー生まれ(どーでもいいことですが、1964年早生まれの私とは同学年)。Wikiには5つの肩書き(an English easy listening singer, songwriter, media personality, actress and television presenter)が載ってました。1998年頃からBBCなどのTV番組に出演する傍ら、英国をはじめ豪州やニュージーランドをツアーしたりアルバムも多数リリースするなど歌手としてもキャリアを積んできたようです。

3作目となる本アルバムは所謂企画モノ。タイトルの通り、映画で使われた歌のカヴァー集です。ゴージャスなアレンジと演奏、ブリリアントで艶のあるジェーンの歌声、深めのリバーブ…。これらが合わさって、ステージで歌ってるかのような印象を受けます。

バカラック・カヴァーは2曲。
T-8.「 小さな願い 」(1997年の米映画『 ベスト・フレンズ・ウェディング 』から)
T-10.「 アルフィー 」(1966年の英映画『 アルフィー 』から)

T-8.「 小さな願い 」はヒップポップ系アレンジ。オリジネーターであるディオンヌ・ワーウィックが1998年のアルバム『 DIONNE SINGS DIONNE 』でこの曲をヒップポップ系アレンジでリメイクしていますが、それにヒントを得たのかもしれません。でも、(ディオンヌのリメイク版と違って)原曲の特徴である変拍子をキチンと残したり、フェードアウトせず終止形にしてるのは好印象。ジェーンの歌唱自体は印象に残らないですが…。

一方、T-10.「 アルフィー 」はゴージャスな生オケをバックに熱唱。ジェーンの艶やかな歌声はこういう歌い上げる系の曲と相性が良いようです。それは、本アルバムの他の曲なんかを聴いてもそう感じるところです(T-3.「 追憶 」やT-12.「 ANYONE AT ALL 」など)。


ここからはオマケ。MP3で所有しているジェーン・マクドナルドのバカラック・カヴァーをご紹介。

まず1998年のデビュー・アルバム『 Jane McDonald 』で「 サンホセへの道 」(3:35) をカヴァー。オリジネーターであるディオンヌ版ベースのアレンジです。イントロの前にある20秒少々の前振り?は謎ですが。

2005年のアルバム『 You Belong To Me 』では「 愛の思い出(愛のウェイト・リフティング) 」(3:25) をカヴァー。これはUKチャート1位になったサンディ・ショウ版ベースのアレンジ。って言うか、ほぼコピーですね。

2010年のアルバム『 Live At The London Palladium 』には「 バート・バカラック・メドレー 」(9:15) を収録。バンド+オケをバックに「 ウォーク・オン・バイ 」「 サンホセへの道 」「 小さな願い 」「
 愛の思い出 」の4曲をメドレーで歌ってます。ステージ上のジェーンは生き生きしてますねー。エキサイトしてシャウトしたり、「 小さな願い 」で何箇所か客席に歌わせたり 、「 愛の思い出 」ではゆったり歌って観客を焦らせた?後にアップテンポで盛り上げたり、エンターテインメントぶりを存分に発揮しています。因みに、「 小さな願い 」はヒップポップ系ではなくオーソドックスなアレンジでした。


【データ】
『 Love at the Movies 』
Jane McDonald

CD:2001年10月15日リリース
レーベル:Universal TV (UK)
番号:014 947-2

Producer:Jane McDonald and Ian Hughes
Music Arranged and Orchestra Conducted by Ian Hughes
Recorded and Mixed at RG Jones Recording Studio, London - May/June 2001


2020年11月15日 (日)

SIMPLY GRAND/Irma Thomas (2008年)

"ニューオーリンズのソウル・クイーン" アーマ・トーマスが2008年にリリースしたアルバムです。バカラックの新曲を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


全14トラック中、バカラック作品は1トラック

5. WHAT CAN I DO (3:59)


"ニューオーリンズのソウル・クイーン" アーマ・トーマスが2008年にリリースしたアルバムです。

アーマ・トーマスは米国のソウル/R&Bシンガー。1941年ルイジアナ州で生まれ、1959年にロンレーベルより「 DON'T MESS WITH MY MAN 」でレコードデビュー。以後レーベルを転々とするも、1986年にラウンダーレコードと契約してからはコンスタントにアルバムをリリースしていきます。2005年にはハリケーン・カトリーナの状況下でアルバム『 After The Rain 』をリリース。そのアルバムは2006年のグラミー賞でコンテンポラリー・ブルース賞を受賞しました。

本アルバムは『 After The Rain 』の次作にあたります。裏ジャケのアルバム紹介によれば… ─  アーマ・トーマスの音楽の中心には常にピアノがあり、彼女は12人の最高のピアニストと共演しています。グラミー賞を受賞した Soul Queen of New Orleans は、このすべての音響環境よりも優れたサウンドを実現したことはありません。「 COLD RAIN 」の魂を焼く情熱から「 THIS BITTER EARTH 」のほろ苦い親密さまで、アーマの永続的な暖かさと魂のこもったものが優勢であり、ブルースから遠く離れることはありません。多くの新曲(バート・バカラックとスティーブ・クリコリアンの曲を含む)と、これまでに録音されていないドク・ポーマス&ドクター・ジョンの曲が含まれています。  ─ (機械訳です、あしからず)

ピアニストを12人も起用するとはなんて贅沢な! ヘンリー・バトラー (T-1)、ドクター・ジョン (T-2,8)、ジョン・クリアリー (T-3)、トム・マクダーモット (T-4)、デヴィッド・トカノフスキー (T-5,10)、デヴィッド・イーガン (T-6)、ノラ・ジョーンズ (T-7)、エリス・マルサリス (T-9)、ジョン・メデスキ (T-11)、デイブ・クロフォード (T-12)、マーシャ・ボール (T-13)、ランディ・ニューマン (T-14) …。地元を拠点に活動している方が多いようですが、ビッグネームも参加していますねぇ。

バカラックの新曲T-5.「 WHAT CAN I DO 」でピアノを弾いてるのはデヴィッド・トカノフスキー。1956年生まれのピアニスト/バンドリーダーで、アーマのセッションにたくさん参加してきたんだそう。アーマとの2ショット写真もこの曲のクレジットと一緒に載ってました。


さて、その「 WHAT CAN I DO 」。プロデューサー氏が書いてるライナーノーツには ─ セッションのわずか1週間前にバート・バカラックとスティーヴ・クリコリアンから届きました。それは classic Bacharach melody です。─ と書いてありました。ん? 共作者のスティーヴ・クリコリアンって誰やねん? 聞いた事ないで? …ネットで調べたら Tonio K.(トニオ・K)の別名でした。近年バカラック爺と度々共作してる方ですね、納得!

「 WHAT CAN I DO 」は8ビートのスローバラード。テンポは♩≒79くらい。本アルバムにはR&B、ソウル、ゴスペル調の曲が多いのですが、ちょっと違う空気感が漂います。シンプルなピアノのイントロに導かれ、全体的にはしっとりとした雰囲気。サビでのアーマの歌唱や中盤ブリッジから間奏あたりのピアノはブルースのフィーリングで熱いですけどね。ちょっと変態チックなメロディとコード進行は間違いなくバカラック印(classicかどうかは微妙なところですが…)。佳曲だと思います。

アルバム自体は全体的にクォリティが高く、じっくり聴いても良いしBGMにしても心地良いですね。


ここからはオマケ。
実はアーマ・トーマス、若い頃にもバカラックの新曲を歌ってました。「 LIVE AGAIN(リヴ・アゲイン)」という曲で、1965年1月にレコーディングしています。でも、当時はリリースされませんでした。また、新曲じゃなくカヴァーですが同年8月には「 LONG AFTER TONIGHT IS ALL OVER(ロング・アフター・トゥナイト)」もレコーディング。ところがこの曲もお蔵入りに…。それから27年経った1992年、EMI から出たベスト盤『 "Time Is On My Side" The Best Of Irma Thomas, Volume 1 』(画像)にめでたく2曲とも収録されました。良かったね、パチパチ。

尚、これら2曲は拙ブログで過去に紹介したコンピ集に入ってます。前者が入ってるのは『 Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.3 』、私も少しばかりコメントしています。後者は『 Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.2 』です。ご参考まで…


【データ】
『 SIMPLY GRAND 』
Irma Thomas

CD:2008年8月12日リリース
レーベル:Rounder Records (US)
番号:11661-2202-2

Produced by Scott Billington
Piano - Henry Butler (T-1), Dr. John (T-2,8), Tom McDermott (T-4), Dave Torkanowsky (T-5,10), Norah Jones (T-7), Ellis Marsalis (T-9), John Medeski (T-11), Marcia Ball (T-13), Randy Newman (T-14)
Piano, Percussion, Backing Vocals - Jon Cleary (T-3)
Piano, Backing Vocals - David Egan (T-6), Davell Crawford (T-12)
…ピアノ以外のミュージシャンは割愛します、あしからず
T-5.「 WHAT CAN I DO 」
  Written by Burt Bacharach, Steve Krikorian (Tonio K.)
  この曲の詳細クレジットは先ほどの2ショット写真を参照ください


2020年11月 1日 (日)

Yammy* sings Burt Bacharach/Yammy* (2020年)

Yammy*さんのバカラック・カヴァー・アルバムです。本日(2020年11月1日)リリースされました!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. ALFIE
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU

3. ONE LESS BELL TO ANSWER
4. THE LOOK OF LOVE
5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
6. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
7. GOD GIVE ME STRENGTH
8. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
9. WALK ON BY
10. A HOUSE IS NOT A HOME

収録時間約44分


前回記事で告知したYammy*さんのバカラック・カヴァー・アルバムです。本日(2020年11月1日)リリースされました!


Yammy*さんは福島県白河市出身、京都在住のオーガニックシンガーソングライター(Facebookではそう紹介されています。一方でYammy*さんのOfficial Web Siteではそういった紹介はされてないんですょ。ちょっと謎です…)。詳細なプロフィールはOfficial Web Siteの[BIO]を参照ください。

Yammy* sings Burt Bacharach(以降 YsBB)はバート・バカラックが作曲した曲だけを歌うライヴ。年末に大阪のライヴレストランバー “ロイヤルホース” で行うのが恒例となっており、2010年にスタートして今年が10周年になります。これまでに私は計5回、拙ブログでライヴの感想を記事にしています。(以下クリックすると各記事に飛びます〜)
2013年12月
2014年3月
2015年12月
2018年12月
2019年12月
─  いつかYsBBのCD出して欲しいです!!  ─  と書いたのは2014年3月、東京初公演(大塚)のとき…。待ちに待ったCD化が10周年という節目の年に実現して本当に嬉しいです。

気心の知れたYsBBのいつものメンバー3名(ヴォーカル:Yammy*、ピアノ:Sasapong、ソプラノサックス:堂地誠人)により全10曲がレコーディングされました。YsBBでは毎回いつも15~16曲のバカラック曲を取り上げていて、これまで私が聴いた5回だけでもレパートリーは25曲に上ります。

レコーディングにあたって、レパートリーの中からとりわけ今歌いたい曲を10曲選んだそうです。有名曲から知る人ぞ知る渋い曲までバランスの取れた選曲だと思います。


アルバムを聴くと、YsBBでのパフォーマンスが鮮やかに蘇ります。
ジャジーなバラードからシャッフル、スウィング、ボサノヴァまで曲調は幅広く、リズム隊(ドラムス、ベース)がいないことも気になりません。メリハリの効いたピアノ、ふんわりしたソプラノサックス、そして何よりYammy*さんの表現力豊かなヴォーカル。大人の味わいです。
個人的には、LPであればB面にあたるT-6〜10がレコメンド。アルバム中2曲しかないワルツのT-7.「 ゴッド・ギヴ・ミー・ストレングス 」とT-8.「 世界は愛を求めている 」を挟んだ曲順を含め5曲の曲想の違いがくっきりしていることもあり、それぞれの曲でYammy*さんの歌が心に染みて多幸感を感じました。

国内はもとより、世界的にみてもピアノとソプラノサックスのみをバックに歌ったバカラック集というのは例がありません。Yammy*さんの骨太でいてファニーな独特の歌声とともに存在感のあるバカラック・カヴァー集だと思います。

尚、リリース記念ライヴの模様がYouTubeにUPされています(10/31 21:00〜配信されたライヴ動画の完全版)。こちらも是非ご覧ください。
Yammy* sings Burt Bacharach World Premiere
URL: https://youtu.be/WUyRpXSKpUs

実は、光栄なことに今回ライナーノーツを担当させていただきました。バカラック・ファンはマニアックな先輩方が大勢いらっしゃいまして、私(あるでお)なんかはまだひよっこです。それにもかかわらずオファーをくださったYammy*さん&プロデューサー廣瀬紳一さんにこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。


【データ】



『 Yammy* sings Burt Bacharach 』
Yammy*

CD:2020年11月1日リリース
レーベル:Love Sound Records. (JAPAN)
番号:LSR-0011

Produced by 廣瀬紳一 Shinichi Hirose (LOVE SOUND RECORDS)
All songs Recorded, Mixed & Mastered by 野村智仁 Tomohito Nomura st MOTHERSHIP STUDIO, Kyoto, JAPAN Sep.21〜27, 2020
Musicians
  Yammy* - Vocal
  Sasapong - Piano
  堂地誠人 Makoto Douchi - Saxophone (except T-1,10.)

CDのお求めはYammy*さんOfficial Web Siteの[STORE]/Yammy* Market からも可能です(特典もあるみたいですよ!)。

2020年10月30日 (金)

【告知】Yammy* sings Burt Bacharach 2020年11月1日リリース!

今回は、アルバム・リリースの告知です。(2020/11/1追記:CDの記事はこちら

11月1日、Yammy*さんのバカラック ・カヴァー・アルバム『 Yammy* sings Burt Bacharach 』がリリースされます。

(画像はクリックすると大きくなります)



Yammy*(ヤミー)さんが、Sasapong(Piano)・堂地誠人(Sax)と共に年末に行っている恒例ライヴ Yammy* sings Burt Bacharach(以下 YsBB)。

YsBBは2010年から始まり今年 2020年で丸10年。10周年を記念して、バカラックの名曲から選りすぐりの10曲を3人でレコーディングしたアルバムが11月1日にリリースされます。

リリース前夜には、アルバムに収録されている全曲を完全再現したライヴの模様をYouTubeで無料配信!
Yammy* sings Burt Bacharach World Premiere Live Streaming
日時:2020年10月31日(土)21:00〜
配信URL: https://youtu.be/3rJxYVAqupk

そのライヴのプロモーション動画(1分8秒)もあります。
Yammy* sings Burt Bacharach World Premiere Live Streaming (Promotion Movie)
URL: https://youtu.be/LfgZHm2TnkI

是非ご覧になってください!
CDのお求めはYammy*さんのOfficial Web Siteから!

2020年10月28日 (水)

BLUE UMBRELLA/Burt Bacharach and Daniel Tashian【CD】 (2020年)

バカラック爺がダニエル・タシアンと共作した新曲を収めたデュオ名義のEP(ミニアルバム)です。 配信だけかと思っていたら、CDがボーナス・トラック入りでリリースされました!

(画像は全てクリックすると大きくなります)


1. BELLS OF ST. AUGUSTINE (3:29)

2. WHISTLING IN THE DARK (3:23)
3. BLUE UMBRELLA (4:19)
4. MIDNIGHT WATCH (4:08)
5. WE GO WAY BACK (3:16)
6. 21st CENTURY MAN (3:47)
7. QUIET PLACE (2:53)

T-6,7. : ボーナス・トラック

収録時間約26分


EP『 BLUE UMBRELLA 』は5曲入りEPとしてYouTube及びサブスク等による配信のみで今年(2020年)7月31日にリリースされ、拙ブログでも8月に取り上げました。その記事を私はこう締め括ってます。 ─ 2人の共作曲は既にフルアルバムをリリースできるだけのストックがあるようで、コロナ禍が落ち着いた後のレコーディング&アルバムリリースを期待しましょう。 ─

ところがなんと! その後追加レコーディングされた2曲をボーナス・トラックとして収録した日本盤CDが今日(10月28日)リリースされたワケです。Amazonで予約して、発売日の前日に届きました!


日本語のブックレットには、朝妻一郎氏による詳しい解説や全7曲の歌詞カードに加えて、バカラック爺とタシアンの対談まで掲載されています。クレジットもバッチリで、まさに至れり尽くせり!

解説を読んで初めて知ったのですが、今年1月にリリースされたバカラック爺とメロディ・フェデラーが共作した「 BRIDGES 」はタシアンがプロデュースしていたんですねー。改めて「 BRIDGES 」紹介記事を振り返ってみると確かにそう書いてます。今頃になってその事実に気付くとは、なんて鈍感なんでしょ私って…。

T-1〜5.の楽曲についてはデジタル配信版の記事で書いてますので、ここではボーナス・トラックの2曲についてのみ触れることとします。
※ 各曲名のリンク先はYouTubeのMV(2020/12/4に公式MVがアップされていたのでリンクを追加)

T-6.「 21st CENTURY MAN 」(テンポ:♩≒86)
タシアンと女性ヴォーカルが淡々と歌うミディアムテンポの4拍子曲。ストリングスと金管楽器だけになる約1分のエンディングにバカラックらしい響きを感じます。

T-7.「 QUIET PLACE 」(♩≒76)
バカラックらしいメロディが堪能できるバラード曲。特にイントロとエンディングのフリューゲルホーンはいかにもバカラック。タシアンの優しい歌声も心地よいです。

※ 2021/2/23 追加


【データ】

『 BLUE UMBRELLA 』
Burt Bacharach and Daniel Tashian

CD:2020年10月28日リリース
レーベル:Big Yellow Dog Music / Sony Music Labels Inc.(Japan)
番号:SICX 30088

Producers:Daniel Tashian and Burt Bacharach
Songwriters:Daniel Tashian and Burt Bacharach
Arrangement by Burt Bacharach (except T-5.)
String Arrangement by Jordan Lehning and Burt Bacharach (T-1〜4.)
Strings Conducted by Jordan Lehning (T-1,4.)
Conducted by Jordan Lehning (T-6,7.)
Musicians
  Burt Bacharach - Piano (T-3,5.)
  Daniel Tashian - Vocals,  Guitar (T-6.)
  Tim Lauer - Piano (T-1,2,4,6,7.),  Rhodes (T-3.)
  Fred Eltringham - Drums (T-1〜4,6,7.)
  Dennis Crouch - Bass
 (T-1〜4.)
  Lex Price - Bass (T-6.)
  Viktor Krauss - Bass (T-7.)
  Tom Bukovac - Electric Guitar (T-1,2,4.),  Martin Acoustic (T-3.),  Guitar (T-6.)
  Jordan Lehning - Celeste (T-1.)
  Steve Herman - Trumpet (T-3.)
  Jeff Bailey - Flugelhorn and Trumpet (T-6,7.)
  Jennifer Kummer - Horn in F (T-6,7.)
  Jim Hoke - Chromatic Harmonica (T-5.)
  Austin Hoke - Cello (T-1〜4,6,7.)
  Jonathan Yudkin - Violin (T-1〜4.)
  Alicia Enstrom - Violin (T-6,7.)
  Kristin Weber - Violin (T-6,7.)
  Betsy Lamb - Viola (T-6,7.)
  Jessie Baylin - Backing Vocals (T-1〜4.),  Vocals (T-6.)
  Sarah Buxton - Backing Vocals (T-1〜4.)

2020年10月25日 (日)

EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE/Nick Palmer (1968年)

米男性シンガー、ニック・パーマーによる1968年のシングル。B面が超レアなバカラック・カヴァーです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)

B面

A. DID I EVER REALLY LIVE? (2:26)
B. EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE (2:10)


米男性シンガー、ニック・パーマーによる1968年のシングル。

ポップシンガーらしいのですが、詳しいことはよく分かりません。Discogsによれば、1966〜1969年にかけてRCAからアルバム2枚、シングル7枚をリリースしているようです。1967年5月にリリースされた彼のファーストアルバムのジャケットがこちら。

20代? いや、30代? う〜ん、年齢不詳だ…。

本題に戻ります。バカラック・カヴァーは本シングルのB面。前回ご紹介したドナ・マリーの「 THROUGH THE EYE OF A NEEDLE(針の目を通して見れば)」と同様、クリフ・リチャード1965年のアルバム『 Love is Forever 』に入っていた「 EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE(愛する人を)」のカヴァーです。オリジナルがクリフ・リチャード、カヴァーはニック・パーマーだけという超レア曲です。

クリフ版(♩≒104)より早いテンポ(♩≒112)と明るい曲調のアレンジ。リズムはクリフ版同様シャッフルなんですが、クリフ版が全体的に “おっとり” してるのに対して、ニック版には独特の “とぼけた” 味わいがあります。イントロのメロディもクリフ版とは変えていて、曲の冒頭から味わいが違うんです。ニックや男女バックコーラスもどこか楽しげに歌ってますし。私はニック版の方が好きなんですけどねぇ。

何故3年も経ってこの曲をシングルB面で取り上げたのか…。その点は謎なんですが、詮索するのはやめました。どーせわっかんねぇだろーし😞💦

ここからはオマケとして、MP3で所有しているバカラック・カヴァーをご紹介。

ニック・パーマーは1967年11月リリースのセカンド・アルバム『 Turns It On 』でバカラックナンバーの「 アルフィー」(3:35)をカヴァーしています。ストリングス主体のオケ、ピアノ、ヴィブラフォン等をバックにジャズのテイストでしっとり歌っています。このセカンド・アルバムはビッグバンドをバックにノリノリで歌う曲が多いのですが、こうしてみるとニックはなんでもこなせるセッションシンガー的な存在だったのかもしれません。よくは分かりませんが。


【データ】
DID I EVER REALLY LIVE?/EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE 」
Nick Palmer

7"Single:1968年リリース
レーベル:RCA
番号:47-9698

Producer:Jim Foglesong
Arranged and Conducted by Ray Ellis

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年10月18日 (日)

THROUGH THE EYE OF A NEEDLE/Donna Marie (1967年)

米国の女性歌手、ドナ・マリーが1967年にリリースしたシングル。B面がバカラック・カヴァーです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)

B面

A. THE WHOLE WIDE WORLD IS WATCHING US (2:34)
B. THROUGH THE EYE OF A NEEDLE (2:40)


米国の女性歌手、ドナ・マリーが1967年にリリースしたシングルです。

ドナ・マリーは、1950年6月28日ニュージャージー生まれ。米国人(父)とスペイン人(母)の混血だそう。13歳の時、Gateway から Marie La Donna の名前でデビュー。2年後ドナ・マリーに改名して Columbia から数枚のシングルを発表。Columbiaを離れた後、1970年には The Archies のヴォーカルとしてシングル2枚のレコーディングに参加しました。その後は表舞台から姿を消していましたが、2005年に Karen G とコラボしてクリスチャンミュージックのCDをリリースしたそうです。

因みに、Columbia 在籍時のお姿はこんな感じ。撮影年は分かりませんが、この写真は大人っぽいですねー。


B面がバカラック・カヴァー。前回ご紹介したクリフ・リチャードのアルバム収録曲「 THROUGH THE EYE OF A NEEDLE(針の目を通して見れば)」のカヴァーです。オリジナルがクリフ・リチャード、カヴァーはドナ・マリーだけという超レア曲です。

ドナ版のアレンジはクリフ版のほぼコピー。テンポもクリフ版(♩≒90)とほぼ同じ(♩≒92)。ですが、歌のキーが1オクターヴ近く高いことと打楽器の様に使う女性バックコーラスのおかげで、ドナ版の方が軽快に聴こえます。若干憂いを帯びたクリフの歌声に対して、ドナの歌唱はアイドルっぽさがまだ残ってる感じ。なんてったって、♪ドナはまだ 17だから〜。【 追悼 筒美京平さん… 】

どうしてドナがこの曲をカヴァーしたのか? クリフと同じ Columbia だったとはいえ、若い女性向けの曲とはお世辞にも言えないし…。何か事情があったとは思うのですが…。ま、いいや(笑)。



【データ】
THE WHOLE WIDE WORLD IS WATCHING US/THROUGH THE EYE OF A NEEDLE 」
Donna Marie

7"シングル:1967年リリース
レーベル:Columbia
番号:4-44015

Arranged & Produced by Charles Calello

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し



2020年10月11日 (日)

Love is Forever/Cliff Richard (1965年)

英国の男性歌手、クリフ・リチャードが1965年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし曲を2曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は2トラック

A1. EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE (2:15)
B2. THROUGH THE EYE OF A NEEDLE (2:42)


英国の男性歌手、クリフ・リチャードが1965年にリリースしたアルバムです。

─ 彼はイギリス人ですが、生まれたのはインドです。1940年10月14日、インドのラックノウに生まれました。小さい頃から大の音楽好きで、もう3つの頃から、蓄音機(今でいうステレオ装置)につきっきりで、熱心に音楽にきき入っていたそうです。イギリスに帰ったのは8才の時で、彼の両親と共にです。学校に通い出した彼の音楽好きは、相変わらずでしたが、小学校から中学校、そして高校へと進むにつれ、スポーツと演劇に熱中しはじめました。しかし彼の本命はやはり音楽でありました。ふとしたチャンスに歌ったのが大変に受けたのです。そこで気の合った仲間とバンドを結成して本格的に歌稼業に乗り出したのです。このバンドはドリフターズと命名されましたが、今日皆さんが良くご存じの通り、クリフと絶妙のティームワークぶりを発揮するシャドウズと後に名前が変わっています。このバンドはやがてEMI(オデオン)レコードの優れたA&Rマン、ノリー・パラマー(彼自身オーケストラ・リーダーとして著名)の目にとまるところとなったのです。こうして彼はレコードを通じて、世界のファンを相手にする、まったくめざましい活躍が開始されたのです。彼のデビューから、爆発的な人気を博すまでは、今日のビートルズにも似て、実に見事なものでありました。早速1958年からはTVシリーズ『 オー・ボーイ 』そして有名な『 土曜の夜のパラディアム 』に出演し、間もなくして彼をホストとしたTVシリーズ『 サタディ・スペクタクラー 』が組まれるほどの人気をあげたのです。こうして彼はイギリスのナンバー・ワン・スターから、世界のナンバー・ワン・スターにとバク進しました。ちなみに米ビルボード誌による1965年度のインターナショナル・アーティストのランキングを見てみますと、クリフはエルヴィス・プレスリーをぬいて、ソロ・シンガーとして第1位にあります。 ─ (1965年日本盤のライナーノーツより、原文ママ)

─ この最新アルバムは、彼のその好調ぶりを示したものです。また曲目もラヴ・バラッドを中心としたものだけに、このレコードを通して、彼の人気がまたグーンと高まることでしょう。クリフの歌を1度でも耳にした人は、誰もが口をそろえて、彼の歌のうまさ、きき手のハートをしっかりつかんでしまう、そんな彼の歌の魅力を、たたえています。まったく彼の歌は素晴らしいものです。男性歌手として、世界のトップにある彼ならではの、キュートな魅力があるのです。わが国においても、クリフ・リチャードのファンが日増しに増えているのも、彼の実力、チャームを雄弁に物語っています。そしてそのカーヴが着々と上昇しているということは、何とも力強い限りです。ともかくこのアルバムは、クリフのファンはいわずもがな、まだクリフの歌をおききになっていない方々に、まずきいていただきたいと思います。そんなあなたはキット彼の素晴らしい魅力の虜になってしまうことでしょう。 ─ (1965年日本盤のライナーノーツより、原文ママ)

私が所有してるのはUK盤なのですが、Discogsで日本盤ジャケットを見つけてライナーノーツをパクっちゃいました。いささか冗長のきらいはあるものの当時のクリフ・リチャードの人気ぶりがリアルに伝わるんじゃないかな…と。


全14曲。バラード、ポップからロックンロール調まで、幅広いジャンルの曲が入ってます。A5.「 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 」、A6.「 夏の日の恋 」、B1.「 愚かなりわが心 」といった有名曲のカヴァー以外は知らない曲ですけどね。

バカラック作品は2曲。作詞は勿論ハル・デイヴィッド。2曲ともクリフへの書き下ろし曲なんですが、いずれも超のつくレア曲! 私もこのアルバムで初めて聴くことができました。

A1.「EVERYONE NEEDS SOMEONE TO LOVE(愛する人を)」は、ミディアムテンポ(♩≒104)で跳ねるようなリズム(シャッフル)の曲。高低行ったり来たりのメロディ、半音ずつ上がったり下がったりする転調、4小節/8小節という単位に収まらない変則的な小節数…。変拍子こそありませんが、バカラックらしさ満載の曲です。クリフも音程バッチリで難なく歌っています。

もう1曲、B2.「 THROUGH THE EYE OF A NEEDLE(針の目を通して見れば)」は♩≒90のバラード。イントロなしでいきなり歌い始めるこの曲、変則的な小節数だったり風変わりなコード進行はあるものの、A1.と較べたらバカラック色は薄めだと思います。若干憂いを帯びたクリフの歌声はバラードに合いますね。米国では「 WIND ME UP (AND LET ME GO) 」のカップリングでシングル・リリースされたようですが鳴かず飛ばずだったみたいです。

尚、邦題は1965年日本盤に書かれていたものです。その日本盤には全曲目解説が載ってました。バカラック作品2曲だけ紹介しますと…。

─ 「 愛する人を 」: まずミディアム・スローのテンポにのって、美しいラヴ・バラードが歌われます。誰だって愛し、愛されたいものです。そんなところうまく歌い恋人にささげています。「 針の目を通して見れば 」: 針の目を通して見れば、大きな家は小さく、高い山も低く見えるもの。だからボクたちの大ゲンカなんてとるにたりないもの。さあボクの恋人、早く帰ってきて……というチャーミングな歌です。しかしこれを歌うとなるとなかなかムツカシイと思われますが、そこはクリフのこと、実にスマートに歌っています。 ─ (1965年日本盤の曲目解説より、原文ママ)

1965年の日本じゃ流石にバカラックのバの字も出てきませんね〜。歌詞中心に説明してるのはまぁ良しとして、「 愛する人を 」が美しいラヴ・バラードってぇのはちょっと違うんでないかい?


【データ】
『 Love is Forever 』
Cliff Richard

LP:1965年11月リリース
レーベル:Columbia (UK)
番号:33SX 1769 (MONO)

Produced by Bob Morgan (A1,B2)
Produced by Billy Sherrill and Bob Morgan (B6)
Artist credit
  Criff Richard (Recorded in Nashville) (B6)
  Criff Richard Arr. & Conducted by Gary Sherman (Recorded in New York) (A1,B2)
  Criff Richard Arr. & Conducted by Ken Woodman (A2,A6,B1,B4)
  Criff Richard with The Norrie Palamor Orchestra (A5)
  Criff Richard with The Norrie Palamor Orchestra and The Mike Sammes Singers (A3,A7,B3,B7)
  Criff Richard with The Shadows (B5)
  Criff Richard with The Shadows, The Norrie Palamor Strings and The Mike Sammes Singers (A4)

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年10月 4日 (日)

Beatles, Bach, Bacharach Go Bossa/Alan Moorhouse (1971年)

ビートルズ、バッハ、バカラックを軽いボサノヴァ・タッチで演奏したイージーリスニングのアルバムです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


全12トラック中、バカラック作品は5トラック

A1. FOOL ON THE HILL
A2. SOMETHING
A3. AIR ON A G STRING
A4. TRAINS AND BOATS AND PLANES
A5. YESTERDAY
A6. MINUET IN G
B1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
B2. WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS
B3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
B4. I SAY A LITTLE PRAYER
B5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
B6. MUSETTE IN D

所要時間約31分


ビートルズ、バッハ、バカラックを軽いボサノヴァ・タッチで演奏したイージーリスニングのアルバムです。英国mfpレーベル(いわゆる廉価盤専門レーベルの類い)からのリリース。

カップルがイチャイチャしてるいかにもイージーリスニングって感じのジャケットには、どこにもアーティスト名が書かれてません。クレジットされているのはアレンジャーのみで、ミュージシャンは一切無し。っつーことで、アレンジャー兼ディレクターの Alan Moorhouse(アラン・ムーアハウス)をアーティストとしました。Discogsも同じように扱ってますしネ。

ビートルズ4曲/バッハ3曲/バカラック5曲をチョイスしたのは、Alan Moorhouse とライナーノーツを書いてる Bill Wellings(ビル・ウェリングス)。

─ アランは、これらの有名な曲をいくつかの新しい方法で表現した。…フルート、フリューゲルホーン、女声を融合して生み出される美しくまろやかで魅惑的なサウンド:テナーサックスによるメインテーマのソフトな即興演奏:電気ハープシコードによるこれまで聴いたことがない新鮮な音色:そしてもちろん、聴いてて思わず脚が弾む躍動的なリズムセクション。もしパーティーが途中で中だるみしてきたら、ボッサ・ビートのビートルズ、バッハ、バカラックに切り替えて、パーティーを盛り上げよう! ─ (By Bill Wellings:ライナーノーツより、私の超意訳で)


フルート、フリューゲルホーン、サックス、女性コーラス、ハモンド系オルガン、電気ハープシコード/エレピ、ピアノ、アコースティックギター、ウッドベース、ドラムス、ヴィブラフォン、ラテンパーカッション等による演奏。軽いボサノヴァ・タッチと紹介しましたが、ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスをもっと軽くした感じ…といった方が近いかもしれません。アレンジにも工夫がみられ、パーティが盛り上がるかはともかくシラけて盛り下げることは無さそうです(たぶん)。

前述の通りバカラック作品は5曲。カヴァー定番曲の4曲以外にA4.「 汽車と船と飛行機と 」がチョイスされているのは英国ならでは(バカラック自身のバージョンがUKチャート4位になるなど米国よりも英国でヒットした曲なので)。①とにかく軽快なアレンジ、②いろんな楽器が入れ替わり立ち替わりメロディを担当、これら2点は5曲に共通します。加えて、B3.「 ディス・ガイ 」ではフルートが、B5.「 恋よさようなら 」ではサックスがちょろっとアドリヴを吹いていて、これが良い塩梅のスパイスになってます。


イージーリスニングとしては出来の良い方じゃないですかねー。


【データ】
『 Beatles, Bach, Bacharach Go Bossa 』
Alan Moorhouse

LP:1971年リリース

レーベル:mfp (UK) / Manufactured by EMI
番号:MFP 5206

Arranged and directed by Alan Moorhouse
A BWD Production

2020年9月20日 (日)

Bacharach Baroque/The Renaissance (1973年)

男女ダバダバコーラスが全編にわたってフィーチャーされたイージーリスニング・バカラック集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)



A1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
A2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
A3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
A4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
A5. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
A6. BLUE ON BLUE
B1. I SAY A LITTLE PRAYER
B2. THE LOOK OF LOVE
B3. WALK ON BY
B4. ALFIE
B5. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE

収録時間約24分


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昨日(日本時間2020/9/19)、インスタグラムでワシントン・ポストの男性記者とバカラック爺のリモート・トークライヴがありました。トークライヴは約1時間弱。TOEIC300点台の英語力しかない私には辛いものがありましたが、時折ピアノ弾き語りを交えつつしっかりと話す爺は本当にお元気そうでした。

未視聴の方はインスタグラム/ワシントン・ポストのアカウント(@washingtonpost)でどうぞ!
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今回ご紹介するのは、男女ダバダバコーラスが全編にわたってフィーチャーされたイージーリスニング・バカラック集です。『 Bacharach Baroque 』というタイトルこそ前回ご紹介したアルバムと同じですが、中身は全く別物です。

演奏してるのはザ・ルネサンス。メンバーのクレジットもなくリリースしたレコードは本作だけというイージーリスニングによくある一度だけの即席グループなんですが、バロックを演奏するのがルネサンス??? ルネサンス音楽(15世紀〜16世紀)とバロック音楽(17世紀初頭〜18世紀半ば)は時代が違うじゃん。…このへんのテキトーさは如何にもイージーリスニングって感じ(笑)。


混成4部コーラス。女声・男声ともメロディ以外に伴奏パートも積極的に分担。主体はダバダバですが、Wow〜、ルル〜、ボンボン〜なども駆使した変幻自在のコーラスアレンジはなかなかのもの。コーラス陣のパフォーマンスもGood jobです。

バックの編成はチェンバロ、フルート、ストリングス、ベース、ドラムスといったところ。アレンジ上の1番の特徴はチェンバロやストリングスのアルペジオ。バロックっぽく聴こえるのはコレのせいです。ウォーキングベースの多用も特徴的ですね、バロックとは無関係ですが。


全11曲はバカラック・カヴァーの定番曲ばかり。1973年リリースなのでA2.「 遥かなる影 」やA3.「 雨にぬれても 」も取り上げてます。

全体的にかなり速めのテンポ(B4.「 アルフィー 」を除いて)で気持ちが良いです。軽快なアレンジが曲にマッチしているA1.「 恋よさようなら 」、アウトロのダバダバ攻撃が耳に残るA2.「 遥かなる影 」、トリルのような高速ダバダバと間奏部のバロック風アンサンブルが素敵なB3.「 ウォーク・オン・バイ 」あたりが私のレコメンド。

イージーリスニング物でよく感じるチープさもありません。ただ、残念なのは『 バカラック ・バロック 』というタイトルとあのジャケットです。軽快なダバダバコーラスがイメージできるタイトル&ジャケットにして欲しかったですね〜。


【データ】
『 Bacharach Baroque 』
The Renaissance

LP:1973年リリース
レーベル:Finger Records (Germany)
番号:2396 105

Producer:Garrett Music EnterPrises - "Snuff" Garrett
Arrangements:Al Capps
Recorded At:Devonshire Studios - North Hollywood

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年9月13日 (日)

Bacharach Baroque/The 18th Century Corporation (1969年)

バロック風味のイージーリスニング・バカラック集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)

※ US盤のジャケット

A1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
A2. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
A3. PROMISES, PROMISES
A4. I SAY A LITTLE PRAYER
A5. WALK ON BY
A6. CASINO ROYALE
B1. REACH OUT FOR ME
B2. WISHIN' AND HOPIN'
B3. MESSAGE TO MICHAEL
B4. ALFIE
B5. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
B6. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約25分


バロック風味のイージーリスニング・バカラック集です。アルバムの存在自体は20年以上前から知っていたのですが、最近ようやく手に入れました。

演奏している The 18th Century Corporation は、LPのライナーノーツで次のように紹介されています。 ─ 現代音楽(またはその逆)にクラシック効果を与えることを専門とする有能なミュージシャンのグループであり、このアルバムでバカラックのベスト曲を使って信じられないほどの仕事をしています。 ─ (機械訳です悪しからず)

メンバーはジャズ系又はクラシック系のドイツ人ミュージシャン10名。コンサートギター(クラシックギター)、ヴィオラ、フルート、ハープシコード(チェンバロ)、バッハ・トランペット(ピッコロトランペット)などクラシック系楽器に、ドラムス、Eベースを加え、更に女性ヴォーカルを加えた独特の編成です。ただ、女性ヴォーカルの参加はA6とB2,4,6の4曲のみでラララorダバダバとしか歌いません。このグループのアルバムは本作だけみたいで、イージーリスニングによくある一度だけの即席グループなんでしょう。


全12曲はバカラックのカヴァー定番曲ばかり。1968年録音なので1969年以降のヒット曲「 雨にぬれても 」「 遥かなる影 」「 エイプリル・フールズ 」なんかは入ってませんが。

聴いてみると、バロックの雰囲気は出ているものの基本はイージーリスニング。そのバロックの雰囲気も、クラシック系楽器をバロックぽくアレンジして弾かせときゃそれらしく聴こえるだろ、まーいいんじゃね?イージーリスニングだし…的な安直なアレンジが散見されます。でもまぁ、バロック云々は置いといてラウンジミュージックとしては肩肘張ってなくてイイかも。

『 バカラック・バロック 』というタイトルからもっとバロック寄りの内容を期待していた私には落差が大きかっただけです…(涙)。

そんな中で個人的なレコメンド曲はA3.「 プロミセス・プロミセス 」。バッハ・トランペットを上手く活かした出来の良いアレンジ。バロック風味もいい感じでそれらしいと思います。その他ちょいレコメンドな曲は、バラエティ豊かなアレンジのA1.「 サンホセへの道 」、現代音楽っぽい前半が素敵なB1.「 リーチ・アウト・フォー・ミー 」、コンサートギターとフルートと女性ヴォーカルのハーモニーが美しいA6.「 世界は愛を求めている 」あたりです。


※ 所有LPはUS盤ですが、ドイツ盤(左)や英国盤(右)はジャケットが全く違います。ちなみに1971年リリースの日本盤はドイツ盤と同じジャケットのようです。


【データ】
『 Bacharach Baroque 』
The 18th Century Corporation

LP:1969年リリース
レーベル:Unites Artists Records
番号:UAS 6697

Produced by Hans Bradtke - CITY MUSIKPRODUKTION
Musician

  Concert guitar – Siegfried Schwab
  Viola d'amore – Joe Slabyhoudek
  Flute, bass flute – Adie Feuerstein
  Harpsichord – Manfred Huebler
  Vocals – Rosy
  Bach-trumpet – Winfried Rotzoll
  Drums, percussion – Dai Bowen / Heinz Niemeyer
  Electric bass – Heinz Cramer / Juergen Ehlers
Recorded:March 1968 at AUDIO-TONSTUDIO and December 1968 at SONOPRESS-STUDIO, Berlin (Germany)

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年9月 6日 (日)

THE WORLD IS A CIRCLE/Jackie Trent (1973年)

ジャッキー・トレントが1973年にリリースしたシングルです。A面がバカラック曲のカヴァーです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)


A. THE WORLD IS A CIRCLE  〜 Jackie Trent 〜 (3:47) 
B. I CAN'T GET ALONG WITHOUT YOU 〜 Jackie Trent & Tony Hatch 〜 (2:47)


英国の女性シンガー、ジャッキー・トレントが1973年にリリースしたシングルです。

ジャッキーは前々回(アルバム『 WORDS AND MUSIC 』)、前回(シングル「 DON'T YOU BELIEVE IT 」)に続き、3回連続の登場です。彼女のプロフィール等は前々回の記事を参照ください。

さて、シングルA面がバカラック曲のカヴァー、米コロンビア映画『 LOST HORIZON(失われた地平線)』の挿入歌「 THE WORLD IS A CIRCLE(世界はまるい)」でございます。映画ではリヴ・ウルマンが野外の学校で子供たちと歌い踊る、8分の6拍子の明るく楽しい曲(リヴ・ウルマンのパートは Diana Lee という方が歌唱)。途中でちょっとだけボビー・ヴァンも歌っています。

ジャッキー版はどうでしょうか? テンポは映画のサントラと全く同じで、ジャッキーと子供たちによる元気の良い歌唱もサントラに引けを取りません。キーだけはサントラより短3度低いものの、全体の雰囲気はほぼ一緒ですね〜。バックのオーケストラも、4小節のイントロが追加されたこととオブリガートに少し工夫が見られることくらいかな、違いは。当然、公私ともパートナーであったトニー・ハッチによるアレンジ&プロデュース。でも、彼だったらもっと独自のアレンジを施しそうなんですけどね…。


所有シングルはプロモ盤。このプロモ盤のレーベル表記は "Columbia" のみですが、紙製内袋には "Columbia" と "EMI" のロゴが併記されていました。EMIは1931年に英コロムビアと英グラモフォンが合併して設立されたレコード会社。米コロンビア・レコードとも関係あったんでしょうね。レーベル面の (P)1972 表記からすると、リリースはともかく録音は1972年に行われたはず。映画の公開は1973年なので、映画公開前に英国でプロモーションするためのシングルだったと思われます。そういう事情があったとすれば、トニー・ハッチがサントラのイメージに近い仕上がりにしたのも頷けます。

B面はジャッキーとトニー・ハッチの共作による軽快なカントリー調の曲。2人名義で、デュエットしてるようです。


【データ】
『 THE WORLD IS A CIRCLE/I CAN'T GET ALONG WITHOUT YOU 』
Jackie Trent/Jackie Trent & Tony Hatch

7"シングル:1973年リリース(Discogs情報)
レーベル:Columbia/EMI (UK)
番号:DB 8941

Arranged & Produced by Tony Hatch
A. Written by Burt Bacharach and Hal David
B. Written by Jackie Trent and Tony Hatch

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

«DON’T YOU BELIEVE IT/Jackie Trent & Tony Hatch (1969年)

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